満期保有目的の償却原価法で知っておきたいのは、次の2点です。

(1)貸借対照表価額は、ドル建の償却原価×決算時の為替相場

(2)償却額は、平均相場(AR)で換算


この2点を把握していれば、いけるのではないでしょうか。

貸借対照表価額は、ドル建の償却原価を決算時の為替相場で換算した金額です。
「帳簿価額」と「貸借対照表価額」との差額が、損益です。

この損益のうち償却額は、利息です。
期中にだんたんと生じていますので、平均相場で換算するのが合理的です。
外貨建の償却額を平均相場で換算した金額は、有価証券利息で処理し、残額を為替差損益とします。
なお、期中平均相場としては、月や半期単位の平均相場が用いられることもあります。

ぜひ標準的な問題(関連記事に簡単な事例があります)で、具体的な数字を追いつつ、ごく簡単にでもいいですので、ご自分の言葉でも整理しておかれるとよいでしょう。


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