【対象=2級以上】

(問題)
次の資料に基づいて、製造間接費配賦差異を計算し、予算差異と操業度差異とに分析しなさい。
差異の算出にあたっては、借方差異及び貸方差異の別を示すこと。

(資料)
(1)製造間接費予算
1.基準操業度 120時間
2.製造間接費予算
  固定費24,000円 変動費率300円/時間
(2)製造間接費実際発生額
1.実際直接作業時間 11時間
2.製造間接費実際発生額6,000円

(解答)
製造間接費配賦差異 500円(借方差異)
予算差異      700円(借方差異)
操業度差異     200円(貸方差異)


(解説)
(1)予定配賦額
1.予定配賦率
(300円×120時間+24,000円)÷120時間=500円
2.製造間接費予定配賦額
500円×11時間=5,500円
(2)製造間接費配賦差異
5,500円−6,000円=△500円(借方差異)
(3)製造間接費の差異分析
予算差異  (2,000円+11時間×300円)−6,000円=△700円(借方差異)
操業度差異 (11時間−10時間)×200円=200円(貸方差異)

(1)予定配賦額
製造間接費の予定配賦額は、次のように計算します。

製造間接費予定配賦率×実際操業度=製造間接費予定配賦額

製造間接費の予算は、年間でたてますので、上記の算式の数字は、年間ベースのものです。
製造間接費予定配賦率は、実際操業度が直接作業時間だとすると、1時間作業をすると製造間接費は、このくらいかかるだろうという金額を意味しています。
具体的な計算は、次のとおりです。

製造間接費予算額(1年間)÷基準操業度=製造間接費予定配賦率

(2)製造間接費配賦差異
製造間接費配賦差異は、次のように計算します。
製造間接費の配賦差異は、予定と実際の差ですが、あくまでも原価計算期間(月)を単位に行っています。

製造間接費予定配賦額(よ)−製造間接費実際発生額(じ)=製造間接費配賦差異

(3)製造間接費配賦差異の分析
※製造間接費配賦差異の分析については、いわゆるシュラッター図を活用するようにしましょう。

1.予算差異
予算許容額−実際発生額=予算差異
予算許容額=変動費率×実際操業度+固定費予算額

2.操業度差異
(実際操業度−基準操業度)×固定費率=操業度差異