純資産直入法の仕訳自体は、それほど難しい訳ではないと思います。
ただ、評価差額(原価と時価の差額)を、純資産(その他有価証券評価差額金)にすればよいだけですから。
翌期の処理は、洗替のみです。

【例1】全部純資産直入法 取得原価100 時価90

(当期末)その他有価証券評価差額金10 投資有価証券10

(翌期首)投資有価証券10 その他有価証券評価差額金10

この一連の仕訳で、投資有価証券の帳簿価額は、100円に戻って、その他有価証券評価差額金は、ゼロになります(←これ大事)。


やっかいなのが、部分純資産直入法でしょうか。
部分純資産直入法の借方差額は、純資産ではなく、損益項目(損失)として処理されます。
そんでもって、期をまたいだ場合のこの処理がちとやっかいかもしれません。
損益項目は、期末で、損益勘定に振替えられ、翌期にそのままの形で残る訳ではありませんので。
これを洗替える訳ですから、やや違和感が残ります。

【例2】部分純資産直入法 取得価額100 時価90

(当期末)投資有価証券評価損益10 投資有価証券10

(翌期首)投資有価証券10 投資有価証券評価損益10

全部純資産直入法の場合と同様に帳簿価額が取得原価の100に戻ります。
しかし、投資有価証券評価損益10は、損益項目ですから、翌期には、「貸方」にいきなり生じる感じです。
かなり違和感もありますが、実際の問題を解く際には、思い込みではなく、仕訳(ないしは勘定記入)によるきちんとした積上げによる解答を心がけたいところでしょう。


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