剰余金の処分(典型が配当)の会計処理は、わかりにくいように思います。

いま、増減資と比較して考えてみましょう。

「配当」は、獲得した利益を株主に配分する行為です。

「減資」は、株主から受け入れた資本を返す行為です。


【増資と減資の会計処理】
(1)増資
(借)現金預金××× (貸)資 本 金×××

(2)減資
(借)資 本 金××× (貸)現金預金×××

【利益の獲得と配当】
(1)利益の獲得
(借)現金預金 ××× (貸)受取利息 ×××
(借)受取利息 ××× (貸)損  益 ×××
(借)損  益 ××× (貸)繰越利益剰余金×××

(2)配当
(借)繰越利益剰余金××× (貸)未払配当金×××
(借)未払配当金××× (貸)現金預金 ×××

「増資と減資」は、対照的な仕訳処理です。

これに対して、「利益の獲得と配当」は複雑です。

理由は、「利益の獲得」に関係する取引は、期中は、費用・収益勘定で処理し、その費用・収益勘定を損益勘定に振替え、その損益勘定で初めて、どれだけ利益が増えたかを算定することになるからです。

このようなヘンテコな流れをとるのは、企業がどのような形で利益を獲得したのかを原因別(費用・収益別)に示すためです。

上記の「利益の獲得と配当」をムリムリ相殺してしまえば、次のような形になります(実際に、相殺可能な訳ではありません)。


(借)現金預金 ××× (貸)繰越利益剰余金×××

(借)繰越利益剰余金××× (貸)現金預金 ×××

増資と減資の会計処理に似てますよね。

少しイメージがわかないでしょうか?


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