法律や規則にのっとった会計は「制度会計」と呼ばれます。

これまで我国には、「三種の制度会計」が並存していました。

「商法会計」(現在の会社法会計に相当)、「証券取引法会計」(現在の金融商品取引法会計に相当)、「税務会計」(税法会計)の三種です。

それぞれに目的や仕組みの異なった制度が、異なった状態のままで並行的に存在するというのが、これまでの我国での制度会計のあり方でした。


商法会計は、すべての会社を対象とし、原初的には、「株主等」に対する報告をメインとしながらも、「債権者」保護に配慮した規定が数多く設けられています。

証券取引法会計は、証券取引所上場会社等の規模の大きな会社のみを対象とし、その対象は、「投資家」ということになります。

税務会計は、課税の公平を旨とし、「国」に対して、課税所得(税額)を報告することが狙いです。

三種の制度会計のメインの報告対象を考えてみると、商法会計(株主、債権者)、証券取引法会計(投資家)、税務会計(国)という事になります。


このような三種の異なる制度が三角形の頂点にあって微妙なバランスで存在している。

そんな我国独自の制度会計のあり方は、「トライアングル体制」などと呼ばれました。


現実として、トライアングル体制は、もはや崩壊しています。

税法会計は、他の制度会計とは、大きくかけ離れ、商法会計と証券取引法会計が近接し、その中で会社規模に応じた会計のあり方が模索されているといった状況でしょうか。


その中で、際立っっているのは、異なる目的の中での異なる利害関係者間の調整機能が著しく低下し、逆に、投資家に対する意思決定を支援するような機能が重視されている点です。

トライアングル体制は、何故、崩壊したのでしょうか。

一言でいえば、投資家の投資意思決定に奉仕するような役割が重視されるようになったからといってよいでしょう。

三つの制度会計はかつてのような三位一体の関係とは異なる関係性を築いているとうべきです。