一般的な簿記書では、「前払費用」等の処理科目は、経過勘定項目(注解5)に限定して使用される場合が多いようです。
ただし、実務指針では、経過勘定項目以外にも前払費用等の勘定科目を使用しています(為替予約、リースバックの場合)。

そもそも単に「前払費用」といった場合には、次の二つの意味で使われることがあります((1)がほとんどですが)。

(1)経過勘定項目を意味する項目(狭義)
(2)単に将来費用となるべき項目(広義)

(2)のように極めて広い意味(支出・未費用)で前払費用といえば、資産のうちのいわゆる費用性資産は、すべて前払費用ということになります。

実務指針における前払費用等の処理科目の使用方法は、ちょうどこの中間になっているといってよいでしょうか。
このような使用方法が、学習上の混乱の一因になるという指摘はあるでしょう。
ただし、また別個の新たな勘定科目を登場させることを考えるとどちらがよいのかは、微妙かもしれません。

実務指針という公的な書き物の中で記述されていることに対する影響は少なくはないでしょう。
いずれにせよ、このように実務指針では、再振替仕訳を行うか否か、また、使用する勘定科目についても必ずしも一般的な簿記書(特に学習簿記・検定簿記)における使用方法とでは異なっています。

試験的な話をしておけば、このような状況の中、再振替仕訳の時期のみを対象とした出題はやや考えにくいのではないかと思います。
ただ、決算整理前の試算表に経過勘定科目が残っている場合の処理を問う等、その時期を巧みに回避したり、資料から再振替仕訳が行われていることがあきらかというような出題は充分考えられるところかもしれません。

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