これまで、決算整理時の翌期首における逆仕訳として、経過勘定項目、消耗品及び商品の処理をみてきました。
一般的な処理としては、経過勘定項目及び消耗品の処理は、翌期首に行われ、商品勘定の処理は、翌期末に行われます。
このように考えると再振替仕訳を翌期首に行う根拠、そして再振替仕訳を行う項目自体が、必ずしも一義的に明確とはいえない点に気付かされます。
そもそも再振替仕訳については、極めて明確にそのルールが定まっているとはいいにくい面もあるといってよいのかもしれません。

ある種の混乱の一因は、実務指針における会計処理にあるといえるかもしれません。
実務指針では、経過勘定項目について、再振替仕訳を行っていないのです。
実務指針は、公認会計士監査(財務諸表監査)の指針であり、細かい簿記的な処理が正確に行われているかは、その対象の埒外にあるといってよいでしょう。
つまり、結果さえ異ならなければ(財務諸表さえ異ならなければ)手順(再振替仕訳を行うか)には、こだわっていないようなのです。

さらに指摘されるのは、(長期)前払費用といった経過勘定項目を連想させる勘定科目を必ずしも企業会計原則にいう経過勘定項目以外に使用している点です。
より具体的には、為替予約の振当処理とリースバックの会計処理があげられます。
これらは、企業会計原則の注解5にいう経過勘定項目とはやや趣きを異にしています。

為替予約の振当処理の場合には、いわば「繰延換算差額」であり、リースバックの場合には「繰延売却損益」なのです。
いずれも注解5に規定する経過勘定項目とはいえませんし、支払時に費用処理し、決算時に資産に振替えるために生ずる項目でもありません。
一定の理由から当期の損益計算から除外された部分という点においては確かに経過勘定項目と同じですが、その意味は異なっているといってよいでしょう。
したがって、これらの項目について、再振替仕訳がそのものが出てくることありません。

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