経過勘定項目や消耗品の例にみられるように翌期首における決算整理時の逆仕訳が行われるのは、支出が先行するケース(経過勘定項目でいえば前払費用)では、次のような仕訳の構造をもっているものということができると思います。

(支出時)費用××× ○○○×××
(決算時)資産××× 費 用×××

つまりは、支出時に費用処理し、決算時にその一部(未経過・未使用分)を資産に振替えるケースです。
また、この論理を突き詰めると、例えば、商品勘定の処理について三分割法をとった場合に行われる決算整理仕訳、

(1)仕  入××× 繰越商品××× ← 期首分
(2)繰越商品××× 仕  入××× ← 期末分

のうち、(1)(期首)分については、決算整理としてではなく、開始手続の段階で、行う必要があるということになるのかもしれません(このような処理は、もちろん、一般的ではありません)。

確かに、五区分の異動も、「費用」→「資産」といずれも同じであり、簿記の手続きだけを考えれば、経過勘定項目や消耗品の例と区別する必要はないともいえそうです。

ただし、現実には、そのような処理方法が紹介されることはありません。
商品勘定の期首と期末の整理を決算整理で行う通常の方法をとる場合には、仕入勘定は、決算整理前の段階で「当期純仕入高」を示し、決算整理を行うことで、「売上原価」が算出されることになります。
この当期純仕入高は、企業の一会計期間の仕入活動の総量を示すものとして損益計算書にも表示されます。
この当期純仕入高を勘定上、示しておくことにはそれなりの意味もあるといったところなのでしょう。

このように考えると簿記の一般的に行われる仕訳は、必ずしも単一の論理に全面的に従っている訳ではないことがわかります。

続・再振替仕訳とは何か(3)へく