経過勘定項目の翌期首における再振替仕訳を行う理由についてみてきました。

一つは、簿記の手続上の役割分担を重視する理論的立場からのものでした(直接整理法とのバランス)。

もう一つが、実践上の理由です(期中手続の簡略化)。
簿記の手続上の区分(開始・期中・決算)を重視するという立場もわからなくはありませんが、現実的に別の理由からこれらの手続が混交している場合は少なくないと思います。

また、実践上の理由についても、では、面倒ではないからちゃんとやるんだということでよいのかといわれると返答に窮するという面がないではありません。


それでも「再振替仕訳は翌期首に行う」と多くの書籍にも書いてありますし、もちろん、それに抗うだけの根拠も持ち合わせてはいませんので、「再振替仕訳は翌期首に行う」という指導を今でも行っています(←軟弱な)。


そんな中、より悩ましさを増幅させたのが、実務指針でした。

実務指針では、仕訳処理が例示されていますが、基本的に再振替仕訳を行っていないのです。

実務指針は、いわば財務諸表監査の指針であり、必ずしも簿記的な手続きを重視していないのかもしれません。

再振替仕訳を行う必要性を見出していないのかもしれません。

また、個々の場合においては再振替仕訳をしない方が合理的(自然)と考えているのかもしれません。

実務指針を作成された方のコメントをお待ちしたいと思います(←って、ないでしょ)。

いずれにせよ実務指針のこのような会計処理例がその後の簿記書に影響を与えたことに間違いはないでしょう。

このような会計処理に対して「再振替仕訳は翌期首に行う」との主張を繰り返すならば、本来は、明確な根拠を提示すべでしょうが、残念ながら今も果たせずにいます。


以上、長きに渡って経過勘定項目の再振替仕訳について書いてきました。

続・再振替仕訳とは何かでは、必ずしも注解5に規定する経過勘定項目に限定することなく、これに関連する項目について、みていきたいと思います。

(再振替仕訳とは何か・完)

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