再振替仕訳が翌期首に行われる理由としてあげられることがあるのが、実践的な理由です。

期中処理を行う段階で借方の科目は支払利息のみにしておいた方が楽チンだからというのがその理由といってよいでしょう。

もう少し、きちんと言うとするなら期中の処理科目を統一したいのです。

簡単な例で示しましょう。

決算時:(借)支払利息30 (貸)未払利息 30

支払時:(借)未払利息30 現金預金120
       支払利息90


経過勘定項目について再振替仕訳をしないとするとこんな感じになるでしょうか。

この支払時の借方を支払利息120にしたいというのがその理由です。

そうすれば期中処理は、前期末にどのような処理が行われたかどうかを考えることなく、いわば誰でも(前期の決算の事を知らない人でも)仕訳がきれることになります。

そうでなければいちいち借方・未払利息をいくらにするのかを確認しなければならなくて、とても面倒です。


借入の相手先が単一で、借入も一口であれば面倒ということもないでしょうが、たくさんあったら面倒なことこのうえありません。

これを避ける意味で、あらかじめ再振替仕訳を行っておき、期中における処理は、借方・支払利息で統一したい訳です。


見越項目(未払費用・未収収益)については、こんな感じですが、繰延項目(前払費用・前受収益)について、再振替仕訳を行わないとすれば、期間の経過時点において費用・収益科目に振替えるということになるのでしょうか。

いずれにせよ煩雑さは伴うことになります。


もっともこのような考え方を突き詰めれば、そもそも再振替仕訳を期首に行わず、期末に行えばよいのではないかという考えも出てきかねません。

経過勘定項目という実体のない資産・負債項目を期末まで放置するのですから、とても荒っぽい処理ということはいえるでしょう。


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