簿記一巡の手続は、(1)開始手続→(2)期中手続→(3)決算手続という順序で行われます。
このうち、ボリュームが最も多く、企業の日常的な活動を対象としているのが、(2)の期中手続です。

商品を売ったり、買ったり、給料やその他の経費を支払ったり。

期中手続の対象となるのは、大多数の日常的な「対外的」取引といってよいでしょう。

対外的な取引の記録は、その対外的な取引の客観的な事実(それは多くの場合、収支と言い換えてもよいでしょう)に基づいて、行われます。


(3)の決算手続は、決算整理と決算振替からなります。

(2)の対外的な期中取引をその事実に基づいて記録するだけでは、期中の正しい損益や財産の状況を示すとは限りません。

その期中における「収支」を「損益」に直す手続が決算整理といってよいでしょう(もちろん、決算整理は、損益に関わることだけではありませんが)。


決算整理が行われただけでは、「帳簿」上は、損益が算定されている訳ではありません。

損益を帳簿上、算定するための手続が「損益振替」です。

決算段階でも精算表を作成すること等により損益がいくらかを知ることはできます。

しかし、帳簿上に損益がいくらかを示すには、損益に関する項目を一箇所に集める必要があります。

そのための集合勘定が損益勘定であり、損益勘定で算定された損益を資本に振替えるための手続が「資本振替」です。


帳簿が締め切られ、翌期の初めに行われる手続が(1)の開始手続です。

開始手続で初めに行われる手続が、開始記入(英米式)又は開始仕訳(大陸式)です。

前期末の帳簿を締め切った段階で、元帳は、いわば白紙の状態になっており、期中の手続を記録する前に、期首の残高を記録しておく必要があります。

この後に行われるのが、再振替仕訳です。


上記のような簿記一巡の手続の流れの役割分担を重視する立場からは、再振替仕訳は期中手続に入る準備作業の一つとして、「期首」に行わなければならないと説明されることが多いようです。

また、このような簿記の手続を理論的に考える立場からは、経過勘定項目に関する一般的な処理方法(間接整理法)に対する直接整理法との対比で語られることもあります。

次回は、この(受験簿記においてはみかけることの少ない)直接整理法を簡単にご紹介したいと思います。


再振替仕訳とは何か(7)へ