【為替手形の仕組み】
為替手形は、支払委託証券とも呼ばれています。
振出人が、名宛人(支払人)に対し、指図人(受取人)に一定の金額を支払うように委託した証券です。
手形法上、典型的に想定されているのは、この三者がそれぞれ別個の為替手形です。
手形法上は、これらの者が重複していても何ら問題がある訳ではありません。
もっとも名宛人(支払人)と指図人(受取人)が同じ手形は、事実上、意味がないので、これは除外して考えてよいでしょう。


【「自己宛為替手形」と「自己受為替手形」】
そうすると三者がバラバラな組み合わせ以外には、次の組み合わせが考えられます。

振出人 = 名宛人(支払人) ……自己宛為替手形
振出人 = 指図人(受取人) ……自己指図(受)為替手形

振出人と名宛人(支払人)が同じ手形を(振出人からみて)「自己宛為替手形」といい、振出人と指図人が同じ手形を「自己指図(受)為替手形」といいます。
手形の利用は、法律の規定に反しない限り、利用者が自由に行えばよい訳で、自己宛為替手形や自己指図(受)為替手形という通常の為替手形とは異なる為替手形が存在する訳ではありません。


【為替手形利用の現状】
もっとも、現実的な為替手形の利用はそれほど多くはないようです。
ネット上の決済を想起するまでもなく、支払手段は多様化し、為替手形の利用は著しく減少しています。
国内でもっとも多い為替手形の利用法が、おそらくは、自己受為替手形でしょう。
国内の特定の業種では、仕入代金の支払いを行う者が約束手形を振出さず、受取人が為替手形を振出す慣行があるようです。

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