【本社勘定と工場勘定】
本社工場間取引に独立会計制度を採用する場合には、本社で工場勘定を設け、工場で本社勘定を設けます。
工場勘定と本社勘定は照合勘定の一種で、貸借逆に記入され、その残高は、貸借反対に生じ、その金額は、一致します。
このような関係は本支店会計での本店勘定と支店勘定と同じです。


【材料の受払取引】
一般的な出題として想定しやすい流れとしては、材料は、典型的には、本社が外部から仕入れ、これを工場に送付し、工場では、材料に加工を加えて製品を製造します。
本社から工場への材料を送付する際の会計処理に、(1)原価を振替価格とする方法と(2)原価に一定の内部利益を加算した金額を振替価格とする方法とがあります。

(1)原価を振替価格とする方法
この場合、材料を送付する本社も、受け入れる工場も材料仕入勘定で処理します。

(本社)工  場100 材料仕入100
(工場)材料仕入100 本  社100

※材料仕入勘定は、材料勘定を使用する場合もある。この場合の材料勘定は、資産と費用(原価)の双方の性格を併せ持ったものといってよいでしょう。

(2)原価に内部利益を加算した金額を振替価格とする方法
この場合、材料を送付する本社は工場へ売上(工場売上)勘定、受け入れる工場側では、本社より仕入(本社仕入)勘定で処理します。

(本社)工  場120 工場売上120
(工場)本社仕入120 本  社120


【製品の受払取引】
工場で完成した製品は、内部振替価格(内部利益を加算した価格)で本社に送付し、本社が外部に販売するというのが一般的です。
この場合、製品を送付する工場は本社へ売上(本社売上)勘定、受入れる本社では工場より仕入(工場仕入)勘定で処理します。

(本社)工場仕入××× 工  場×××
(工場)本  社××× 本社売上×××


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