【合併比率】
合併比率は、被合併会社(消滅会社)の株式1株に対して合併会社(存続会社)の株式を何株交付すべきかという「株式の交換比率」を意味します。

A + B → A’

上記のような吸収合併が行われた場合、B社(消滅会社)の株主は、合併によりA社の株式をもらいます。
B社株主は自分の所有していたB社株式に応じてA社株式の交付を受けます。
そのときの交換の比率が合併比率です。
B社株主がB社株を1,000株持っていて、合併比率が、1:0.8なら、このB社株主は、1,000×0.8=800株のA社株式を取得することになります。
このことを実感しましょう。

合併比率は、消滅会社の株主が新株式の交付を受ける際の株式の交換比率に他なりません。
そもそもが「1株あたりの比率」であることに十分注意しましょう。

合併比率=(被合併会社の企業評価額÷発行済株式総数)÷(合併会社の企業評価額÷発行済株式総数)
=被合併会社の1株当りの企業評価額÷合併会社の1株当りの企業評価額


【増加資本金】
被合併会社(消滅会社)の発行済株式総数に合併比率を乗ずることにより、合併により交付する株式数が算定されます。

交付株式数=被合併会社の発行済株式総数×合併比率

吸収合併による増加資本金の額については、受入純財産額の範囲内であれば増加資本金の額は企業が任意に決定できます。
したがって、増加資本金の上限は、被合併会社から引継ぐ総資産−総負債(受入純資産)であり、増加資本金をゼロとすることもできます。
一株あたりの増加資本金については、問題の指示によります。


<テキスト記事一覧>
企業買収
合併の意義と種類
企業評価額の算定
合併比率と増加資本金
合併の会計処理の考え方
抱合株式の処理
自己株式の移転
合併の会計処理


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