【有価証券の差入・保管】
(1)有価証券の差入と保管
金融機関等に手持ちの有価証券を担保として提供することがあります。
このように有価証券を他者に担保等として提供することを有価証券の差入れといいます。
有価証券を差入れても自分の有価証券ですが、手元にあるものと区別する処理を行うことがあります。
有価証券を受入れる側では、他人の有価証券を持っていることになりますが、自分の有価証券と区別して認識する処理する場合があります。


(2)会計処理
1.差入……簿価
(借)差入有価証券×××(貸)有価証券等 ×××

2.受入……時価
(借)保管有価証券×××(貸)預り有価証券×××
なお、受入時は、受入有価証券が国債等の債券では、額面の場合もあります。


(3)有価証券の差入れのケース(参考)
有価証券を相手方に差入れる場合としては次が考えられます。

1.保証金の代用として有価証券を差入れる。
2.資金の貸付けをうけるにあたり、担保として有価証券を差入れる。

両ケースとも所有権は移転しません。
しかし、差入側は手持ちの有価証券と区別するため、簿価で差入有価証券勘定へ振替える場合があります。
預り側は他の有価証券と区別するため、時価で保管有価証券勘定で明示し、将来返還すべき有価証券を示すため預り有価証券勘定を明示することがあります。


【有価証券の貸借】
(1)会計処理
(貸付……簿価)(借)貸付有価証券××× (貸)有価証券等 ×××
(借入……時価)(借)保管有価証券××× (貸)借入有価証券×××

(2)消費貸借と使用貸借(参考)
有価証券の貸付または借入は、金融の手段として利用されるケースが多いようです。
例えば、有価証券を取引先から借入れ、この有価証券を担保に銀行借入を行う場合や、借入有価証券を売却して営業資金として利用する等です。
有価証券の貸借期限が到来した時は、同一銘柄の有価証券を返却する必要があります。
有価証券の貸借には、その契約により使用貸借(同一銘柄・同一番号・同一数量の有価証券を使用後に返還するもの)と消費貸借(必ずしも同一番号のものを返還しなくてよいもの)とがあります。
この場合、前者では占有権のみが移転し、所有権は移転しないのに対し、消費貸借によれば、返還をうける有価証券は同一番号のものでなくてよいので、金銭の消費貸借と同様、所有権は相手方に移転すると考えられます。
使用貸借の場合、所有権は移転しないため本来ならば仕訳不要ですが、実務上、使用貸借と消費貸借の区分は判然としないため、上記のような仕訳を行う場合が多いようです。


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