【工事完成基準】
工事完成基準とは、工事が完成し、相手方に引渡したときに工事収益(原価)を計上する方法です。
工事が複数の会計期間にわたる場合は、工事期間中は収益がまったく計上されず、完成・引渡年度に工事収益の全額が計上されます。
このような収益の計上の方法は、合理的ではありません。
そこで工事原価総額(工事収益総額)を合理的に見積もることができる場合には、工事進行基準によることとされています。
工事収益総額は契約で定められることが多いので、工事原価総額の見積もりが可能であるかどうかが工事完成基準を適用するかどうかの分かれ目です。


【工事進行基準】
工事進行基準とは、決算期末に工事進行程度(工事進行率・工事進捗率)を見積もり、この工事進行程度により工事収益の一部を工事完成までの各会計期間に割当てる方法です。

工事進行基準による各年度の工事収益は、次のように計算します。

完成工事高 = 請負価額 × 当期発生工事原価/見積工事原価《工事進行程度》

ただし、完成引渡年度は、次のように計算します。

完成工事高 = 請負価額 − 前期までの完成工事高の累計額


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