以前、実際の国家試験等で結果として出題予告に近いような出題がみられることがあるという記事(「出題予告」)を書きました。
今日は、その実例を一つご紹介します。

上級問題集癸隠

これは、公認会計士試験の平成15年度の短答式試験の出題です。
解答要求は、「資本の部の合計額から法定準備金の合計額を控除した金額」です。
まあ、なんでこんな金額出すんじゃという話ですが、この問題の延長に配当可能限度額の計算があることは明らかでしょう。
そして、翌年の平成16年には、配当可能限度額の問題が出題されています。
結果としてということかもしれませんが、かなり出題予告めいたものとなっているといってよいと思います。

こういった事例を集めてみるとおもしろいとも思いますので、今後ともちょっとずつでもご紹介したいと思います。
ちなみに、税理士試験では、財務諸表論で計算が出題されるためか、通常の簿記論の講座内で、配当可能限度額にふれることは少ないのではないかと思います。
そのことを踏まえると平成16年の個別問題で自己株式の取得限度額を問われたこと自体が、正直、かなりショックでした(問題意識としてはあったけれども、税理士試験の簿記論ではないだろうと思っていたという点で、かなりショックでした)。
こちらも、近々、ご紹介できればと思います。

ということで、やはり過去問は、あなどれませんな、というお話しでした。