【一部当座取引の意味】
一部当座取引とは、仕訳で示すと次のような取引をいいます。

(借)当座預金 ××× (貸)受取手形×××
   手形売却損×××

特殊仕訳帳として当座預金出納帳を用いている場合、上記の取引を特殊仕訳帳ないしは普通仕訳帳のいずれかのみにそのままの形で記録することはできません。
このようにそのままの形では普通仕訳帳、特殊仕訳帳への記録ができない取引を「一部当座取引」といいます。


【一部当座取引の記帳方法】
一部当座取引の記帳方法には、次の三つの方法がある。
(1)単純取引に分解する方法
(2)取引を擬制する方法
(3)取引全体を普通仕訳帳に記録する方法

手形の割引を例にとって考えてみましょう。

(1)単純取引に分解する方法
(借)当座預金 90 (貸)受取手形90 → 当座預金出納帳
(借)手形売却損10 (貸)受取手形10 → 普通仕訳帳
 
(2)取引を擬制する方法
(借)当座預金 100 (貸)受取手形100 → 当座預金出納帳
(借)手形売却損 10 (貸)当座預金 10 → 当座預金出納帳
  
(3)取引の全体を普通仕訳帳に記録する方法
(借)当座預金    90 (貸)受取手形(レ)90 → 当座預金出納帳
(借)当座預金(レ) 90 (貸)受取手形   100 → 普通仕訳帳
   手形売却損   10

各処理方法で、記録される仕訳帳は異なっています。
また、(1)と(2)では、二重仕訳は生じていませんが、(3)では、二重仕訳(特殊仕訳帳と普通仕訳帳の間の二重仕訳)が生じている点に注意しましょう。