【臨時償却の意義】
「臨時償却」とは、当初は予見できなかった新技術の発明等の外的事情により、固定資産の機能が著しく減価した場合(陳腐化・不適応化等)に臨時的に行う減価償却をいいます。
臨時償却は、いわば過去の帳簿価額の修正(減価償却累計額の修正)です。


【臨時償却費の計算】
臨時償却費は、「新たな耐用年数で計算した減価償却累計額」と「従来の耐用年数で計算した減価償却累計額」との差額として計算されます。

「新耐用年数での期首減価償却累計額」−「旧耐用年数での期首減価償却累計額」

臨時償却費は、特別損失(前期損益修正)です。
その後の通常の償却を残存耐用年数で行うか、当初の耐用年数(法定耐用年数)で行うかは、問題の指示による必要があります。
税理士試験では、法定耐用年数で行う場合も少なくありません。
問題に指示がない場合には、理論的な、残存耐用年数で行うべきでしょう。


【会計処理】
(臨時償却)臨時償却費××× 減価償却累計額×××
(通常償却)減価償却費××× 減価償却累計額×××


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