【積立金方式による圧縮記帳と税効果】
税務上、積立金法式による圧縮記帳が認められています。
剰余金の処分は、損益計算に影響を与えませんが、所得計算上、損金算入が認められます。
圧縮記帳は、課税の減免ではなく、延期制度で、損金算入が行われる会計期間で課税所得と企業利益とでは差異(将来加算一時差異)が生じ、税効果会計が適用されます。
そもそも積立金方式による圧縮記帳は、直接減額方式(や引当金方式)に代えて用いられる方法です。


【会計処理】
一連の会計処理を示しておきましょう。

発生:法人税等調整額××× 繰延税金負債 ××× ← 圧縮額×税率
処分:繰越利益剰余金××× 圧縮積立金  ××× ← 圧縮額−税効果額
解消:繰延税金負債 ××× 法人税等調整額×××
圧縮積立金  ××× 繰越利益剰余金×××


【注意点】
税効果会計を適用する金額は、圧縮額に税率を乗じた金額です。
剰余金の処分で、圧縮積立金として積立てる金額は、圧縮額から税効果額(すでに繰延税金負債として計上した金額)を控除した金額でよいことになります。
非減価償却資産の場合に解消の仕訳が行われるのは、該当資産を売却等した場合ですが、この場合には、発生時の逆仕訳が行われます。


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