【先物取引の意義と種類】
先物取引は、「将来の売買の約束」です。
「将来の特定の日に、特定の価格で売買することを約束した取引」が、「先物取引」と呼ばれます。

先物取引の対象となる資産は、取引所で取り扱われる有価証券等です。
その他にも特定の商品や特定の指標(日経平均等)を対象としたものがあります。

先物取引は、取引所で行われる取引で、代金決済も期日までに反対の取引を行って、差額のみのやりとりをする「差金決済」が一般的です。

例えば、ある株式を1月後に110円で買う先物取引を行った場合を考えてみましょう。
実際に1月後のその株式の時価が100円であったとします。
1月後にその株式を売り、その差額をこの場合であれば、支払うことのみを行うのが差金決済です。

(実際の購入の場合)
取引時:(借)有価証券100 (貸)未払金100

決済時:(借)有価証券110 (貸)現金預金110
    (借)現金預金100 (貸)有価証券110
       ○○損  10

(先物取引の場合)
取引時:仕訳なし

決済時:(借)○○損 10 (貸)現金預金10 ←ここが10が差金決済です。


【売建てと買建て】
先物取引が、現物取引と大きく異なるのは、売りの先行が可能な点でしょう。
現物の取引(通常の取引)である限り、無いものを売ることはできません。
しかし、先物取引の場合には、先行して売ることが可能です。
買いが先行することを「買建て」、売りが先行することを「売建て」といいます。

買い立てのケースだと、時価(先物価格等)が上昇すれば、利益が出て、逆に下落すれば、損失がでます。
これは通常の取引でも同様ですので、いいでしょう。
問題は、売建てのケースです。
売建てのケースは全く逆で、時価が上昇すれば、損失が出て、下落すれば、利益がでることになります。


【先物取引の会計処理】
(1)取引開始時
(借)先物取引差入証拠金××× (貸)現金預金×××

(2)決算時
評価益:(借)先物取引差金××× (貸)先物利益  ×××
評価損:(借)先物損失  ××× (貸)先物取引差金×××

(3)決済時
利益:(借)現金預金  ××× (貸)先物取引差入証拠金×××
                    先物取引差金   ×××
                    先物利益     ×××
損失:(借)先物損失  ××× (貸)先物取引差入証拠金×××
      先物取引差金×××

※なお、勘定科目にさほどこだわる必要はないと思います。
例えば、先物取引差金は、借方であれば、先物取引資産、貸方であれば、先物取引負債でもよいでしょう。
 以前に意見書で、会計処理が例示されており、上記勘定科目で紹介されている例が多いようです。


【先物取引差入証拠金】
通常、デリバティブ取引を開始した段階では仕訳は不要です。
デリバティブ取引は、純額で把握することとされています。
取引は、通常は、等価で行われますので、取引段階では仕訳なしです。

ただし、先物取引に関しては、取引所で行われる取引で、取引開始時に証拠金(保証金)が要求されます。
この分については、先物取引差入証拠金という勘定科目を使用するのが一般的です。