【対象=簿記論】

(問題)
次の資料により税効果会計の適用に必要な仕訳を(1)から(6)ごとに示しなさい。
なお、法定実効税率は40%であるものとし、仕訳を要しない場合には、「仕訳不要」と記入すること。
(資料1)決算整理前残高試算表【単位:千円】
【借方】
売 掛 金1,000
営 業 費  800
租税公課  500
【貸方】
貸倒引当金 50
未払事業税400
受取配当金200

(資料2)決算整理事項等
(1)売掛金はすべて一般債権に該当し、10%の貸倒引当金を設定する(差額補充法)。
なお、法人税法上の貸倒引当金の繰入限度額は40千円であり、前期における繰入超過額はないものとする。

(2)営業費には、寄付金300千円が含まれているが、この寄付金のうち200千円は、法人税法上、損金算入が認められないものである。

(3)前期に損金不算入になった減価償却超過額100千円の全額が、当期における該当固定資産の売却により法人税法上、損金の額に算入された。

(4)租税公課のうち100千円は罰科金であるが、法人税法上、損金の額に算入されていない。

(5)未払事業税100千円は法人税法上、損金の額に算入されない。

(6)受取配当金200千円は法人税法上、益金の額に算入されない。

(解答)【単位:千円】
(1)(借)繰延税金資産24 (貸)法人税等調整額24
(2)仕訳不要
(3)(借)法人税等調整額40 (貸)繰延税金資産40
(4)仕訳不要
(5)(借)繰延税金資産40 (貸)法人税等調整額40
(6)仕訳不要


(解説)
(1)(1,000千円×10%−40千円)×40%=24千円
貸倒引当金の繰入超過額は、将来減算一時差異に該当します。
税効果の対象となるのは、洗替法による繰入額が繰入限度額を超える金額(繰入限度超過額)であり、経理方法(洗替法・差額補充法)にかかわず、同額になります。

(2)寄付金は、永久差異に該当し、税効果会計の必要はありません。

(3)100千円×40%=40千円
将来減算一時差異の解消に該当します。

(4)罰科金は、永久差異に該当し、税効果会計の必要はありません。

(5)100千円×40%=40千円
未払事業税は、将来減算一時差異に該当します。

(6)受取配当金は、永久差異に該当し、税効果の必要はありません。

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