【対象=簿記論】

(問題)
次のそれぞれの項目の勘定科目及び貸倒見積額の算定方法を示しなさい。
なお、貸倒見積額の算定方法には、イ 貸倒実績率法、ロ 財務内容評価法、ハ キャッシュ・フロー見積法があるが、それぞれの記号で示すこと。
特に指示がない事項に関して留意する必要はない。

(1)民事再生法の適用を受けているA社に対する貸付金

(2)経営破綻の状態には至っていないが、財務内容に重大な問題が露呈したB社に対する売掛金

(3)経営状態が良好なC社に対する貸付金

(4)当期の上半期中に二回の手形取引所の取引停止処分を受けたD社に対する手形債権

(5)経営破綻の状態には至っていないが、債務の返済に疑義が生じたため、当初の約定利息の一部を免除したE社に対する貸付金

(解答)
(1)民事再生法の適用を受けているA社に対する貸付金……破産更生債権等、ロ

(2)経営破綻の状態には至っていないが、財務内容に重大な問題が露呈したB社に対する売掛金……売掛金、ロ・ハ

(3)経営状態が良好なC社に対する貸付金……貸付金、イ

(4)当期の上半期中に二回の手形取引所の取引停止処分を受けたD社に対する手形債権……不渡手形(破産更生債権等)、ロ

(5)経営破綻の状態には至っていないが、債務の返済に疑義が生じたため、当初の約定利息の一部を免除したE社に対する貸付金……貸付金、ロ・ハ

(解説)
簿記論の出題としては、貸倒見積額の算定方法の指示はあるのが通常ですが、金融商品会計基準における債権の区分と算定方法の種類程度はおさえておきましょう。
この場合、破産更生債権等については、独立した勘定科目で処理される場合が多いが、一般債権・貸倒懸念債権については、当初の勘定科目(売掛金、貸付金等)のままというのが一般的です。

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