【対象=簿記論】

(問題)
当社の当期(×1年4月1日〜×2年3月31日)における以下の資料に基づいて、解答欄の決算整理後残高試算表を完成しなさい。
(資料1)決算整理前残高試算表
【借方】
売 掛 金300,000
【貸方】
仮 受 金    550
売  上500,000

(資料2)決算整理事項等
(1)決算整理前残高試算表の売掛金には、次の各取引日におけるドル建取引を円換算した金額が含まれている。
×2年3月 6日  円換算額:50,500円  取引金額:500ドル
×2年3月15日  円換算額:40,800円  取引金額:400ドル
×2年3月31日  円換算額:31,500円  取引金額:300ドル

(2)仮受金550円は、×2年1月5日に商品代金の手付金として受け取った金額(5ドル)を当日の為替相場により円換算した金額である。
実際の輸出取引(商品代金は10ドルである)は、手付金受領日から2月後の×2年3月5日に行われているが、決算日までに残金は未入金であり、経理担当者は何の処理も行っていない。

(資料3)その他の事項
(1)為替相場等
 当期中平均  :1ドル=106円
 ×1年4月1日:1ドル=111円
 ×2年1月5日:1ドル=110円
 ×2年3月5日:1ドル=100円

(2)解答欄には、勘定科目又は金額を記入し、記入を要しない場合には、空欄にせず(−)の符号を付す事。

(解答欄)決算整理後残高試算表【単位:円】
【借方】
売 掛 金(     )
為替差損(     )
【貸方】
売   上(     )
為替差益(     )

(解答)
【借方】
売 掛 金(303,725
為替差損(   −   
【貸方】
売   上(501,050
為替差益(  3,225

(解説)
(1)決算日レート
 31,500円÷300ドル=105円
 ※決算日の為替レートの資料がないので、取引資料よりレートを逆算する。

(2)輸出取引の修正
(借)仮 受 金550 (貸)売  上1,050
   売 掛 金500
※売掛金100円×5ドル=500円
※仮受金(前受金相当)は、換算しないことに留意する。

(3)売掛金の換算
(借)売 掛 金3,225 (貸)為替差益3,225

円建金額 50,500円+40,800円+31,500円+500円=123,300円
 円換算額 (500ドル+400+ドル+300ドル+5ドル)×105円=126,525円
 126,525円−123,300円=3,225円(為替差益)


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