以前、概念フレームワーク(正式には「討議資料 財務会計の概念フレームワーク」)をご紹介しました(「概念フレームワーク(1)〜(3)」。
概念フレームワークでは、収益(純利益)の認識について、従来の「実現」概念に代えて、「リスクからの解放」という考え方をとっています。
この「リスクからの解放」という考え方を知る前に、従来の「実現」が一体どんなものだったかを考えておきましょう。
概念フレームワークでは、収益(純利益)の認識について、従来の「実現」概念に代えて、「リスクからの解放」という考え方をとっています。
この「リスクからの解放」という考え方を知る前に、従来の「実現」が一体どんなものだったかを考えておきましょう。
まずは企業会計原則の規定から。
以前にご紹介した「損益計算書原則一A」は、次のように規定します。
支出・収入の発生期間への費用・収益としての割当を規定したのが、損益計算書原則一Aです。
損益計算書原則一Aは、上記に続けて、次のように述べます。
つまり、収益は、実現したもののみを計上します。
それでは、実現とは、何を意味するのでしょうか。
企業会計原則の規定だけでは、未実現の収益は計上しない、あるいは、実現収益を計上することはわかっても、実現・実現主義が何なのかは、よくわかりません。
その他に、企業会計原則で、実現(主義)に関する規定には、損益計算書原則三Bがあります。
損益計算書原則三Bは、次のように述べます。
ここでは「収益」ではなく、収益の一部の「売上高」になっています。
しかも、「実現主義の原則に従い」ですから、この規定でも、「実現」や「実現主義」が、何なのかははっきりとはわかりません。
以上をまとめますと、企業会計原則から「実現」や「実現主義」が何なのかは、必ずしもよくわからないことがわかります(なんじゃそりゃ)。
実現とは何か(2)へ
以前にご紹介した「損益計算書原則一A」は、次のように規定します。
「すべての費用及び収益は、その支出及び収入に基づいて計上し、その発生した期間に正しく割当てられるように処理しなければならない。」
支出・収入の発生期間への費用・収益としての割当を規定したのが、損益計算書原則一Aです。
損益計算書原則一Aは、上記に続けて、次のように述べます。
「ただし、未実現収益は、原則として、当期の損益計算に計上してはならない。」
つまり、収益は、実現したもののみを計上します。
それでは、実現とは、何を意味するのでしょうか。
企業会計原則の規定だけでは、未実現の収益は計上しない、あるいは、実現収益を計上することはわかっても、実現・実現主義が何なのかは、よくわかりません。
その他に、企業会計原則で、実現(主義)に関する規定には、損益計算書原則三Bがあります。
損益計算書原則三Bは、次のように述べます。
「売上高は、実現主義の原則に従い、商品等の販売又は役務の給付によって実現したものに限る。」
ここでは「収益」ではなく、収益の一部の「売上高」になっています。
しかも、「実現主義の原則に従い」ですから、この規定でも、「実現」や「実現主義」が、何なのかははっきりとはわかりません。
以上をまとめますと、企業会計原則から「実現」や「実現主義」が何なのかは、必ずしもよくわからないことがわかります(なんじゃそりゃ)。
実現とは何か(2)へ
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