【伝票会計の意義と種類】
「伝票会計」は、伝票と呼ばれる紙片に記録を行う会計制度です。
伝票は、仕訳の代わりに用いられるため、ここから総勘定元帳に転記する必要があります。

伝票会計を採用した場合の総勘定元帳への転記の方法には、次の二つがあります。

(1)個別転記を行う方法
伝票を単一仕訳帳制のもとにおける仕訳帳と同様に用い、伝票から総勘定元帳にそのつど転記(個別転記)する方法です。

(2)仕訳集計表から合計転記を行う方法
いったん仕訳集計表(日や週での伝票の集計表)に集計し、その合計額を総勘定元帳に転記(合計転記)する方法です。


【伝票会計の種類】
(1)三伝票制
入金伝票、出金伝票、振替伝票の三種の伝票を用いて記録する方法

(2)五伝票制
入金伝票、出金伝票、売上伝票、仕入伝票、振替伝票の五種の伝票を用いて記録する方法
通常は、売上取引と仕入取引については、いったん掛けによる取引が行われたものとして伝票記入を行います。

なお、単一の伝票(仕訳伝票)のみを使用する一伝票制もありますが、仕訳帳の記入を単に仕訳伝票に細分化したに過ぎず、出題の可能性は、極めて低いでしょう。


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