【対象=簿記論、制限時間10分、難易度B】

(問題)東京株式会社は、第×4期の決算に際し、一般債権については貸倒実績率法、貸倒懸念債権についてはキャッシュ・フロー見積法、破産更生債権等については財務内容評価法に基づいて、それぞれの債権の貸倒見積高を算定している。
次の資料に基づいて、答案用紙の各項目に答えなさい。
なお、貸倒見積高の処理は原則的な方法によることとし、計算の過程で端数が生じる場合は、%については小数点第1位未満、金額については千円未満を四捨五入しなさい。

(例)4.84%→4.8% 764.6千円→765千円

(1)一般債権
a 一般債権の平均回収期間は6か月であり、当期の貸倒率は過去3期間の貸倒実績率の単純平均とする。
b 過去3期間の債権残高と当該残高の実際貸倒高の発生状況
第×1期末の債権残高25,000千円 第×2期中の回収高24,400千円 貸倒高600千円
第×2期末の債権残高30,000千円 第×3期中の回収高29,160千円 貸倒高840千円
第×3期末の債権残高35,000千円 第×4期中の回収高34,090千円 貸倒高910千円
第×4期末の債権残高40,000千円

(2)貸倒懸念債権
a 債権金額10,000千円、当初の約定利子率は年4%(年1回 期末払い)である。
b 当期末の利払い後に債務者の申し出により約定利子率を2%に引き下げることに合意したため、貸倒懸念債権とする。貸付残存期間は3年である。
C 将来キャッシュ・フローの見積り
                   第×5期末  第×6期末  第×7期末
当初の契約上のキャッシュ・フロー  400千円   400千円  10,400千円
条件緩和後の将来キャッシュ・フロー 200千円   200千円  10,200千円

(3)破産更生債権等
a 得意先の破綻により破産更生債権等とする債権金額は5,000千円である。
b 上記債権にかかる担保の処分見込額は2,000千円である。

(解答欄)
(1)一般債権に適用する当期の貸倒率……………………(     )%
(2)貸倒懸念債権の将来キャッシュ・フローの現在価値…(     )千円
(3)破産更生債権等の貸倒見積高…………………………(     )千円
(4)当期末に計上する貸倒引当金の合計額………………(     )千円

(解答)
(1)一般債権に適用する当期の貸倒率……………………(    2.6)%
(2)貸倒懸念債権の将来キャッシュ・フローの現在価値…(   9,445)千円
(3)破産更生債権等の貸倒見積高…………………………(   3,000)千円
(3)当期末に計上する貸倒引当金の合計額………………(   4,595)千円

(解説)
日商一級105回 会計学 第2問 の出題です。

(1)一般債権に適用する当期の貸倒率
ア.過去3年間の貸倒実績率
第×1期末 600千円(第×2期中の貸倒高)÷25,000千円(第×1期末の残高)=0.024→2.4%
第×1期末 840千円(第×3期中の貸倒高)÷30,000千円(第×2期末の残高)=0.028→2.8%
第×3期末 910千円(第×4期中の貸倒高)÷35,000千円(第×3期末の残高)=0.026→2.6%
イ.過去3年間の貸倒実績率の平均値  (2.4%+2.8%+2.6%)÷3年=2.6%

(2)貸倒懸念債権の将来キャッシュ・フローの現在価値
200千円÷(1+0.04)+200千円÷(1+0.04)2+10,200千円÷(1+0.04)3=9,444.98→9,445千円(千円未満四捨五入)

(3)破産更生債権等の貸倒見積高
債権金額5,000千円-担保処分見込額2,000千円=3,000千円

(4)当期末に計上する貸倒引当金の合計額(①~③の計4,595千円)
ア.一般債権    40,000千円×2.6%=1,040千円
イ.貸倒懸念債権  10,000千円-9,445千円=555千円
ウ.破産更生債権等 3,000千円


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