今まで、簿記論における会計基準の重要性を指摘してきました。
このことは、財務諸表論については、より顕著といってよいと思います。
過去4年の理論出題のメインテーマは、8問中6問が会計基準(連続意見書を含みます)からのものといってよいでしょう。
このような傾向は、今後も続く可能性が高いと考えてよいと思います。
ちなみに、過去4年の出題を考えますと、次のような感じです。

平成13年 第2問 連続意見書 第四(棚卸資産)
平成14年 第2問 研究開発費等に係る会計基準
平成15年 第1問 外貨建取引等会計処理基準
平成15年 第2問 自己株式等会計処理基準
平成16年 第1問 連続意見書 第三(有形固定資産)
平成16年 第2問 金融商品に係る会計基準

ただし、会計基準からの出題だったとはいえ、会計基準をそのままおさえているだけですべて解答ができるかというと必ずしもそうとはいえません。
では、どのような学習をすればよいのかですが、これを確認するとてもよいと思える方法があります。

それは、実際に会計法規集をみながら解いてみることです。
実際の出題を模範解答やテキストを参照するのではなく、あくまでも会計基準のみをみながら解答を考える訳です。
会計基準には、本編以外に意見書や結論の背景といったものがついていますので、どの辺をみれば解答できるのかを考えることは、どの辺を学習すればよいのかの大きな参考になるのではないでしょうか。
そのものズバリという箇所もあれば、そうでない箇所もあると思います。
直近で出た項目がそのまま出題されにくいのは事実であろうと思います。
しかし、それ以上の効果が見込まれるのではないかと思います。
実際の試験問題を見ることは、とても大事です。
形式の変化等、気付くことも多い筈です。
今後、財務諸表論の過去出題の分析も行いたいと思います。
その時までに、ぜひ、会計法規集を参照した解答をつくってみてください。