【対象=簿記論、制限時間20分、難易度C】

(問題)
当社は、当期首において、静岡商店に対し、元本¥1,000,000、期間3年の条件で貸し付けを行い、利息の一部¥41,234を差し引いた¥958,766を現金で渡した。この貸付金については、さらに毎期末に¥30,000ずつの利息を受け取ることになっており、3年後には元利合計で¥1,030,000を受け取ることになっている。
そこで、次の設問に答えなさい。なお、円位未満の端数は、四捨五入して解答すること。

(1)この貸付金の実効利子率をrとすると、rはどのような関係を満たすものでなければなりませんか。この関係を方程式の形で表しなさい。

(2)(1)の方程式から実効利子率を求めると4.5%(r=0.045)となるが、当期末(1年経過、利払い後)における当該貸付金の償却原価は、いくらになりますか。償却原価は、利息法を用いて計算すること。

(3)貸し付けから2年経過した時点(利払い前)で、貸付先の静岡商店の財政状態が悪化した。協議の結果、当社は、以降の利息の受け取りを放棄し、元本¥1,000,000の返済を2年繰り延べることとした。当該貸付金の評価額は、いくらになりますか。

(解答欄)
(1)
958,766=

(2)
(3)

(解答)
(1)
958,766=30,000/(1+r)+30,000/(1+r)2+1,030,000/(1+r)3

(2)971,910
(3)876,297


(解説)
日商1級102回 会計学 第2問 の出題です。
債権に対する償却原価法とキャッシュ・フロー見積法をミックスした出題です。
難易度は高いです。
没問となった可能性も高ですが、出題者(大学の先生)が、どこまでを学習すべきと考えているかについて興味が深いです。
以前、簿記作問という記事で紹介した先生の出題ではないかと思えます。

(2)958,766+(958,766×4.5%−30,000)=971,910.47→971,910(円未満四捨五入)

(3)1,000,000÷(1+0.045)3=876,296.604…→876,297(円未満四捨五入)