【対象=簿記論、制限時間=10分、難易度=C】

(問題)

B社は、資金流動化のため、保有している売掛債権5,000千円をCファイナンス社に4,800千円で譲渡した。

ただし、もし回収不能になった場合にはB社が責任を負うという条件が付されていた。

この取引について、債権の売買取引とみる立場(売買説)からの仕訳と、債権を担保とした金融取引とみる立場(金融説)からの仕訳を示しなさい。

(解答欄)【単位:千円】

売買説:現金預金

金融説:現金預金


(解答)【単位:千円】
売買説:(借)現金預金   4,800 (貸)売掛債権5,000
       売掛債権売却損 200
金融説:(借)現金預金   4,800 (貸)借 入 金 5,000
        支払利息     200



(解説)

平成9年度第一問 問2 1の改題です。

実際の試験では、没問(出来なくてもさほど合否に影響のない問題)となった可能性が高いので、出来不出来について、気にする必要はないと思いますが、考えるための材料として、有益でしょう。

売買説では、債権の売買という法形式を重視し、損益の計上については、売掛債権の売却損で処理することになります。

これに対して金融説では、債権を担保として資金の借入という経済的な実態を重視し、差額は支払利息勘定で処理することになります。

手形割引の会計処理についていえば、いわば「売買説と金融説の混合」(昔)から「売買説」(今)に移行したことになります。