今回は、テーマ性の有無という観点で簿記論の出題内容の総括的な検討をしておきます。

今一度、過去2年の第2問の出題内容をあげておきます。

(1)キャッシュ・フロー見積法

(2)償却原価法(利息法)

(3)販売用ソフトウェアの償却

(4)税効果会計

(5)資本会計

初年度(1)、(2)には、明らかなテーマがありました。

それは、割引現在価値です。

これは、解答要求にもあったので明らかでしょうが、キャッシュ・フロー見積法も償却原価法(利息法)もいずれも割引現在価値の考え方が反映された方法です。

計算構造は、同じといって構わないと思います。


これに対して2年目(3)〜(5)には、必ずしも共通のテーマは見当たりません。

初年度の出題に対しては、もし最初の方で間違えてしまうと、全部ズルズルと間違えてしまうという印象がありました。

その点に対しては、非難の声もあったようです。

そんな声を受け入れたのかどうかはわかりませんが、2年目は、分野も散らし、一個間違うと全部間違うということがないようなつくりになっています(ただ、(4)の税効果は、全部手が出ない可能性がありますが)。


柴先生が、個別か、総合を担当なさるのかはわかりませんが、仮に個別問題を出題されたとしても、単一のテーマに基づく出題は、ないと考えてよいように思います。

初年度に、割引現在価値がらみの出題しかしなかったということは、割引現在価値の考え方は、25点の出題のすべてを費やしてもよいほど重要だと考えているということだろうと思います。

また、割引現在価値をテーマにするのも芸がないですし、これを超えるほど重要なテーマは、私には思いつきません。


しかし、こう考えると、個別を出すのか、総合を出すのかで、様子も違ってきます。
いったいどっちなんでしょう。

総合(←勘です←相変わらずの役立たず)。