ファイナンス・リース取引(売買取引)での取得価額と支払利息について考えてみましょう。



【取得価額】

(取得時)
(借)固定資産××× (貸)リース債務×××

という仕訳の金額の話です。

(1)貸し手(リース会社)の購入価額がわかる場合

 移転  → 「貸し手の購入価額」

 移転外 → 「貸し手の購入価額」 と 「割引現在価値」の小さい金額

(2)貸し手(リース会社)の購入価額が不明

→「見積現金購入価額」 と 「割引現在価値」の小さい金額

ファイナンス・リース取引は、実質的には、売買と同様で、固定資産を計上します。

ただし、実際に、固定資産を取得していないので、この取得原価が問題です。

貸し手の購入価額(この金額は利息をオンする前の金額)がわかれば、これをとればよいです。

ただし、所有権移転外ファイナンス・リースは、割引現在価値がこれより小さい場合は、こちらをとります。

貸し手(リース会社)の購入価額がわからない場合は、見積現金購入価額と割引現在価値のいずれか少ない金額が取得価額です。

割引価値を算出する場合の利率は、貸手の計算利子率がわかれば、貸手の計算利子率をとります。

わからなければ、借手の追加借入利子率をとります。

以後の仕訳で使用する利率は、取得価額として選んだ金額と整合性のある利率です。


現金購入価額をとった場合→これと整合する利子率(問題に指示されるハズ)

割引価値をとった場合→割引計算で使った利率(追加借入利子率等)


こうしないと以後の仕訳がうまいことできません。



【支払利息】

(リース料支払時)

(借)リース債務××× (貸)現金預金×××
   支払利息 ×××

この仕訳の支払利息の話です。

リース債務の金額は、リース料支払額(貸方・現金預金)からこの支払利息を控除した金額となります。

支払利息の計算方法には、利息法(原則法)と定額法(均分法)があります。

定額法(均分法)は、均等額の支払利息を計上する方法です。

リース料総額には、本体部分(リース債務計上額)と利息部分がある訳で、この利息相当額を単純に均等額ずつ期間配分するのが、定額法です。

しかし、リース債務が、借入金と同様の性格を有するならば、期間配分される利息相当額が定額であるのは、本当はおかしいです。

なぜなら、リース料(元金+利息)の支払により、元金=借入金(リース債務)は減っており、利息は、だんだん小さくなる筈です。

このため、原則的な方法は、複利を加味した利息法とされています。

利息の計算であるから「支払利息」は、直前の借入金=リース債務の金額に利率をかければよいです。

利率は、年利であらわされる場合が多いので、リース料の支払期間が半年であれば、×6月/12月を忘れないことに注意しましょう。

たった一つの問題でよいので、数字の相互関係、特にリース債務の返済予定の表(テキスト等にあると思う)の数字の相互関係を自分で電卓を叩いて確認する必要があります。

問題を解くことではなく、自ら納得することがやがては問題が解けるようになる一番の早道ではないかと思います。



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