【一時差異と永久差異】

企業利益と課税所得の差異(結局は、益金と収益、損金と費用の差異)には、タイミングだけの違い(一時差異)と根本的な違い(永久差異)があります。

一時差異の典型である減価償却の違いを考えてみましょう。

企業会計上は、取得原価が購入時の費用として処理され、税務上は、2年で償却するものとします(残存価額ゼロ、耐用年数2年)。

1年目: 費  用100  損  金50

2年目: 費  用  0  損  金50

1年目の企業利益と課税所得は異なります。

しかし、2年間で考えると、両者(費用と損金)は同じです。

このように単なる「時期的な違い」が「一時差異」です。

一時差異に対して、いくら時間がたっても解消されない「本質的な違い」が「永久差異」です。



【一時差異と永久差異の例】

(1)一時差異

一時差異には、減価償却超過、各種引当金の繰入超過、資産の評価損否認、貸倒損失否認等があります。

法人税法では、損金算入に対して、一定の限度額を設けている場合が多く、一時差異の項目は、とても多いです。

一時差異には、「将来の税金の前払い」である(将来の課税所得を減額させる効果をもつ)将来減算一時差異と「当期の税金の未払い」(将来の課税所得を増額させる効果をもつ)将来加算一時差異とがあります。

(2)永久差異

永久差異には、交際費の損金不算入、寄付金の損金不算入、罰科金の損金不算入、受取配当等の益金不算入等があります。

簿記論で登場するであろう永久差異の項目数は、それほど多くはないので、こちらを覚えてしまう(上記の4つくらい)のも手かもしれません。

寄(キ)、罰(バツ)な、交(コウ)、配(ハイ)。

奇抜な後輩で覚えましょう♪



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