【推定の意味】
推定簿記という特別な簿記の領域がある訳ではありません。

簿記は、企業の経済活動の記録であり、その記録は仕訳からはじまって、元帳に転記されます。

その元帳の数字を集めたものが試算表です。

このような一般的な手続の順序では解答できない出題一般を「推定簿記」と呼ぶことがあります。


現実の実務でこのような意味での推定が必ずしも必要な訳ではありません。

あえて出題者の意図を想像するならば、このような推定的要素を出題して、仕訳や勘定記入が本当に理解されているかを問うているのです。

このことを意識しているか否かは大きいでしょう。

あまりに難解な推定問題は、むしろ学習の妨げになることもあります。

しかし、良質の推定問題は、簿記一巡の理解を確認するよい訓練になるでしょう。

あまりに難解な出題にたいしては、逆に「ムリ」と言えるだけの基礎的力をつけることが重要ではないでしょうか。



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