期末仕掛品の評価表法として完成度換算法があります。

【完成度換算法】
まずは、基本的な考え方をみておきましょう。

仕掛品は、文字どおり、仕掛かっている(製造途中の)製品の原価です。

ボックス図で整理するなら、

         仕 掛 品
(1)期首仕掛品棚卸高 (4)当期製品製造原価
(2)当期総製造費用  (3)期末仕掛品棚卸高

という感じになります(って、図じゃないよな)。

この関係は、商品なんかと同じで、

(1)期首に仕掛かっていて、
(2)当期にこんだけ造りはじめて、
(3)期末がこんだけだったら、
(4)当期はこんだけできた

という関係を示しています。

(1)こんだけあって、(2)こんだけ増えて、(3)こんだけ残ってたら、(4)こんだけ減った(完成した)という関係です。

ってくどいですが(講師のサガです)、商品や製品、材料なんかでも同じです。

ポイントは、(1)期首と(2)当期のコストがでてるので、(3)期末をだせば、(4)完成品のコストがわかります(って、同じか)。



【完成度換算法の基本的な考え方】

基本的な考え方は、按分です。

例えば当期の製造活動に600円のコストがかかった。

期首・期末の仕掛品がなく、6個の製品が完成した。

1個あたり100円の製品です。

600円/6個=100円
100円×6個=600円 が完成品です(って、あたりまえか)。

期末の仕掛品を加えましょう。

当期の製造活動に600円のコスト(便宜上加工費のみとする)がかかった。

期首仕掛品はなく、5個の製品が完成し、2個はつくりかけだった(仕掛品)。

加工進捗度(原価ベースでみた作業の進行割合)は、50%です。

このケースだと暗算でもいけるでしょう。

600円÷(5個+2個×50%)=100円(1個あたり)

100円×2個×50%=100円(期末仕掛品)

600円−100円=500円(完成品原価)

もちろん、

600円×(2個×50%)/(5個+2個×50%)=100(期末仕掛品)

でもよいです。

ここまでの理解があれば、評価方法(平均法、先入先出法等)もさほど遠くはないでしょう。



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原価要素
完成度換算法の基本的考え方
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