(問題)

当社は当期において取引先であるA銀行と当座借越契約を締結した。

当該借越契約に係る借越限度額は2千万円であり、A銀行に対して時価5千万円の土地を担保として提供した。

担保に供された土地は、本社社屋の敷地であり、借地権割合は60%であるものとする。

なお、当該土地の当社における帳簿価額は5百万円である。

当座借越契約を締結し、土地を担保に提供した場合の仕訳を示しなさい。

(解答)
仕訳なし


(解説)
金融機関(銀行、信用金庫等)と当座借越契約を締結しただけでは、簿記上の取引(資産・負債・資本に増減を及ぼす出来事)ではありません。

同じく担保を提供する行為も基本的には、簿記上の取引には該当しません。

したがって、仕訳不要です。

この場合は、問題に指示がなくても、解答欄は空欄にせず、「仕訳不要」ないしは「仕訳なし」と明示する必要があります。


平成16年の第二問(平成17年重任予定の柴健次先生作問の筈)の解答箇所は全部で13箇所でした。

そのうちの解答「0」が3箇所!!あります。

本問では、あえて仕訳不要であるにもかかわらず、仕訳を示せとしています。

これは、仕訳一問なのに急に「仕訳不要の場合は、仕訳不要と明示すること」などといれると、問題文から解答を推測することができ、これを避けるためです。

仕訳の問題3問程度でも「仕訳不要と明示」という指示があったりすると仕訳が必要であるにもかかわらず、仕訳をすべきなにに無理やりに「仕訳不要」と記入する例は多いです。

試験委員は、その事を知っています。

仕訳なし、「ゼロ」を解答欄や問題文から推測するのではなく、正確な知識と自信をもって解答して欲しいと思います。


もう一点、当座借越契約の締結及び土地の担保提供が簿記上の取引に該当しないのですから、土地の簿価や時価、借地権云々の資料は、全く不要であることがわかります。

不要資料に惑わされてはいけません。

試験委員は、その事も熟知しています。


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