【利益準備金の意味】

利益準備金は会社上、その積立てが強制されています。

簿記上の性格は、留保利益(繰越利益剰余金)の振替えに過ぎません。

利益準備金を積立てるということは、現金を預金する場合のように、実際に何か(現金)が減って、何か(預金)が増えている訳ではありません。

ただ、名目上、「繰越利益剰余金」とされているものを「利益準備金」といわば名称変更をするだけなのです。


(借)繰越利益剰余金××× (貸)利益準備金×××


繰越利益剰余金(資本)が減って、利益準備金(資本)が増えています。

「繰越利益剰余金を利益準備金に振替える」といっても同じです。

要は、資本内部の項目の変更(振替え)に過ぎないのです。

資本項目については、このような理解が重要だと思います。



【利益準備金の要積立額】

利益準備金の要積立額は、資本準備金との合計額が、資本金の4分の1に達するまで剰余金の配当額の10分の1です。

資本準備金と利益準備金をあわせて準備金といいますが、配当の10分の1は積む、でも、資本金の4分の1までで積めばいい。そんな感じでしょうか。

なお、実際に準備金の合計額が、資本金の4分の1を超えている場合に、利益準備金の積立ては要しません。



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