【未実現利益控除法とは】
「未実現利益控除法」とは、期中は販売基準と同様に処理し、決算で利益の調整を行い、回収基準と同様の利益を計上する方法です。

収益の認識基準という意味合いは、収益を計上すべきタイミングの話で、この点をとらえれば、対照勘定法が合理性を持ちそうです。

しかし、対照勘定法は、一言でいうと面倒くさいです。

そこで期中の処理は、販売基準と同様に行い決算整理で利益のみで帳尻を合わせる方法、未実現利益控除法(修正販売基準等とも呼ばれる)が採用されます。



【会計処理】

対照勘定法と同じ事例で考えてみましょう。

原価80 売価100 支払回数5回

引渡時:(借)割賦売掛金100 (貸)割賦売上 100
回収時:(借)現金預金  20 (貸)割賦売掛金 20

今ここで決算をむかえたとすると、仕入(売上原価)80(これはすでに計上されている)という費用と割賦売上という収益100が残っています。

この差引で利益を計算すると100−80=20 となります。

これは販売基準の場合の利益です。

これを回収基準による利益に直すためには、未回収部分の利益を控除すればよいでしょう。

(借)繰延割賦売上利益控除16 (貸)繰延割賦売上利益16

未回収の割賦売掛金80×利益率(20/100)=16

今、決算整理前の利益は20(100−80)だったので、ここから16を引くと、利益は4です。

対照勘定法を採用した場合と同様になることを確認しましょう。

回収基準同様、一度でいいので納得したいところではないでしょうか。



【繰延割賦売上利益の意味】

なお、細かい話ですが、この場合の繰延割賦売上利益控除は、利益の調整項目(利益のマイナス)を意味し、繰延割賦売上利益は、割賦売掛金に対する控除的な評価勘定(または繰延べられた利益)の意味を持ちます。



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