【対照勘定法の意義と会計処理】

対照勘定法は、商品を相手に引渡したときに、対照勘定によるメモ的な記録を行う方法です。

対照勘定としては、「割賦未収金」と「割賦仮売上」等の組み合わせがあります。

割賦代金の入金があった時点で対照勘定による備忘記録を取り消し(引渡時の逆仕訳)、割賦売上を計上します。

対照勘定はあくまでもメモ的な備忘記録にすぎませんので、必要以上に勘定科目名にこだわる必要はありません。


(例)原価80 売価100 支払回数5回

引渡時:(借)割賦未収金100 (貸)割賦仮売上100
回収時:(借)現金    20    割賦売上  20
       割賦仮売上 20 (貸)割賦未収金 20



【決算時の会計処理】
今ここで決算をむかえたとすると、仕入(売上原価)80(これはすでに計上されています)という費用と割賦売上という収益20が残っています。

この差引で利益を計算すると20−80=△60 で損失が出てしまいます。

これはおかしいです。

どこがおかしいのかというと、仕入(売上原価)が多すぎるのです。

収益を回収部分しか計上しないのなら、売上原価もそれに見合う金額しか計上してはいけません。

具体的には、未回収分に対応する原価を仕入から控除し、資産(繰越商品)として計上します。

対照勘定の残高が未回収金額になりますので、対照勘定残高に原価率をかけると期末(割賦)商品の金額が算出できます。

決算時:(借)繰越(割賦)商品64 (貸)仕  入64

金額は、未回収額80×原価率(80/100)=64 です。

この仕訳の意味合いは、三分割法採用時の決算整理仕訳、

(借)仕  入××× (貸)繰越商品××× ←期首
(借)繰越商品××× (貸)仕  入××× ←期末

の二行目の仕訳と全く同じです。
一度でいいのでじっくりと納得したいところでしょう。



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