固定資産の買換えを行う場合に下取資産を適正な時価よりも高額で買い取ってくれることがあります。
【買換の処理】
【高額下取】
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何か新しいものを買うときに、自分の使っていた古いものを相手に売ることを「下取り」といいます。
車などで一般的で、購入と下取りが同時に行われるのが「買換え」です。
旧車両の売却代金と帳簿価額との差額は、売却損益とします。
(例題)
旧車両 帳簿価額 30
旧車両 下取価額 20
新車両 購入価額100
(借)車両(新)100(貸)車両(旧)30
車両売却損 10 現金預金 80
【高額下取】
買換えに伴う下取りのときに旧車両を実際よりも高く買ってくれる場合があります。
例えば上記の例で、適正な下取価額(時価)が20だったとして、これを25で下取りをしてくれるようなケースです。
この場合は、この高額下取部分5(25−20)は、新車両の代金から差引く必要があります(購入車両の値引と考えます)。
(借)車両(新)95(貸)車両(旧)30
車両売却損10 現金預金 75
なぜ、旧車両を高く買ってくれるのでしょうか。
これは、新たな車両を購入するからです。
売却しかしない顧客にそこまで甘くはありません。
新車両を売るための、高額下取り、つまり、事実上の新車両の値引なのです。
これにあわせた会計処理(高額下取→購入資産の値引)を行うのも当然といってよいでしょう。
なお、高額下取りの場合には、旧車両の時価と帳簿価額との差額が売却損益になります。
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質問させて頂いても宜しいでしょうか。
この取得資産の購入価格からの『値引き』に関してですが、これは販売業者側が定価から値引きをした価格で販売したと考える、という事でしょうか。
それとも、販売業者・購入者はあくまでも定価で譲渡・購入して、その上で購入者が、下取価格と公正な評価額である時価との差額分だけ値引きをされたと考え、取得価額を引き下げる、という事でしょうか。
もう1点だけ宜しくお願い致します。
現在ある予備校にて簿記論を学んでおりますが、この項目に関して講師に質問したところ、先生と同様の答えでした。
なぜ『値引き』と考え定価からマイナスするのかという疑問点は、先生の仰られる『一連の取引』と考える事でスッキリしましたが、質問する前に自分なりに考えていた事がどう間違っていたのか、教えて頂けると助かります。
私が考えていた理由は、まず前提に、不等価取引である場合は公正な評価額で評価すべき、という考えがあり、例えば買換により定価15000円の備品を購入した場合と、定価16000円の備品を、下取価格を1000円分高くしてもらい購入した場合では、要した資金が同額であるにも関わらず、定価16000円で購入した場合では、減価償却を通じて1000円分だけ多く費用化され、その分租税回避されてしまう。経済的な実態は同じであるにも関わらず、両者の場合で費用化額に差異が生じてしまうため、不等価取引である場合は公正な評価額で評価すべき、という前提に立ち返り、『値引き』として取得価額の引き下げを行うのかなと考えておりました。
いつも参考にさせて頂いております。
ありがとうございます。
長文になってしまい申し訳ありません。
どうか宜しくお願い致します。