【取得形態別の取得原価】

有形固定資産の取得原価は、「購入代価等に付随費用」を加算した金額です。

おさえておきたいのは、購入以外の場合の取得原価です。

(1)贈与   → 時価

(2)現物出資 → 現物出資資産の時価(取得資産と交付株式の時価のうち信頼性の高い金額)

(3)同一用途の固定資産との交換 → 簿価

(4)有価証券との交換 → 時価

なお、付随費用(購入手数料等)を加算する点は、いずれの場合も同じです。


【取得原価の意味】

会計学的に取得原価の意味を説明するのは、それほど簡単ではありません。

ざっくりとは、取得した原価(元の値段)の語義からいっても、取得に際してどれだけ対価を払ったか(どれだけ犠牲があるか)という理解でよいでしょう。

同一用途の固定資産の交換の場合もその考え方でいけます(もっとも会計学上は、議論の余地があります)。

問題は、現物出資、贈与、有価証券との交換時の「時価」です。

いずれの場合も犠牲に供した資産(発行した株式)ではなく、取得した資産の時価を取得原価としています。

この点、原価主義とは何かを考えさせられます。

簿記論で理論的な視点での出題は、考えにくいでしょうから、無理矢理にでもおさえておきましょう。

取得原価の違いは、償却計算にも影響するので重要性は、出題頻度よりも高いです。


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