平成15年の第二問は、

問1 キャッシュ・フロー見積法
問2 償却原価法(利息法)

でした。

いずれも割引価値の考え方に基づく計算を問うもので、税理士試験では未出題の項目です(対策をとっていない受験機関もあったようです)。
特にキャッシュ・フロー見積法は、対策をとっていないと、手がでなかったかもしれません。
推定の絡む出題で、端数がバリバリにでる点を除くと、難易度はさほど高いとはいえないものの、実際の試験場での端数処理は、かなりしんどかったと思います。

以下、特徴を探ってみましょう。

(1)結果として計算構造を問うものになっている。
簿記の出題は、仕訳や勘定記入(試算表等)を問う場合が多く、その中でもちろん計算をさせていますが、結果的には、「メインとして」計算構造を問う出題となっています。

(2)税理士試験での未出題項目の出題
いずれも税理士試験では、未出題項目ですが、この点は、個別問題の出題においては、例年も同様です。

(3)端数処理が多い
税理士試験では、端数処理がある場合は少なくありませんが、この問題での端数処理の回数が、とても多くなっています。

(4)語句を答えさせている
部分的にではありますが、勘定科目及び語句を答えさせています。
税理士試験で勘定科目以外の語句を答えさせるケースはさほど多くありません。
珍しいケースでしょう。
ただ、配点的にはそれほど多くはなさそうです。
平成16年は、数字のみの解答でした。

(5)推定(逆算)の存在
推定部分はあるものの難易度はそれほど高くありません。
問2の推定に関しては、それを示唆する文章もあり、基本的な計算の仕組みがわかっていれば、推定に苦労するという感じではありません。

(6)不要資料の存在
この点は、出題のポイントにもありますが、不要な資料を意図的に織り交ぜていることがわかります。

(7)複数解答の存在
キャッシュ・フロー見積法の出題では、語句はともかく、勘定科目についても、そもそも複数解答が存在しています。
この点から、単一の解答だけではなく、複数解答をそもそも想定している可能性が高いのではないかと思われます。

(8)難度が極めて高い項目が含まれている。
第二問は、利息法の出題でしたが、利息法の仕訳が決算整理として行われている点に注目する必要があるでしょう。
一般的に、定額法は決算時に、利息法は利払時に償却の仕訳が行われると説明されることが多いようです。
この点は、実務指針も同様です。
しかし、解答では、「評価に係る決算整理仕訳」を要求しており、この仕訳を決算整理仕訳とは認識しにくいのではないでしょうか。

上記の項目が翌年(平成16年)の出題ではどうなったのでしょうか。
(1)計算構造を問う (○)
(2)未出題項目の出題(○)
(3)端数処理    (△)
(4)語句での解答  (×)
(5)推定の存在   (△)
(6)不要資料の存在 (○)
(7)複数解答の存在 (○)
(8)難度の高い項目 (○)

おおむね特徴は維持されているといってよいでしょう。
むしろパワーアップした感のある項目もあります。
総じて、対策は打ちにくいといえそうです。
ただし、平成16年でいえば第2問が白紙であれば、間違いなく25点は失います。
その点を考慮した心構えに近い対策は必要でしょう。