税理士試験 簿記論 講師日記

税理士試験 簿記論、財務諸表論、簿記検定の問題、学習方法等をアドバイス。

季節のないブログ

我ながら本当に季節感のないブログだと思います。

ホントに簿記一色で、もう少し違う事も書こうかなとも思ったりするものの、諸般の事情もあって、こんなスタイルになっています。

まあ、こんなブログがあってもいいのかなあとも思います。


簿記入門Aに(2)簿記の目的をアップしました。

もうアップアップです(う、うまい!)。


この簿記入門Aですが、文章のみなので、どうなんかなあと思いつつ、すでに構想は、簿記入門Bに向いています。

ちょっと違うスタイルで書いたらどうなるかという試みですが、時間が思ったよりかかりそうですが、なんとかA編を完成できればいいなあと思っています。

ご高覧のほどよろしくお願いします。

定額法と利息法

【償却原価法の意義】

「償却原価法」は、債権や公社債等の取得価額と額面金額が異なる場合に、その差額を取得時から弁済(償還)時までに配分し、その分の帳簿価額を増減させる方法です。

償却原価法には、「利息法」と「定額法」があります。

利息法が原則的方法です。



【定額法と利息法】

定額法は、取得価額と額面金額の差額を償還(貸付)期間にわたって、均等額ずつ配分する方法で、利息法は、複利を加味して配分する方法です。

(償却額の具体的計算方法)

定額法 → (取得価額−額面金額)÷期間

利息法 → 直前簿価×実効利子率



【具体的処理例(定額法)】

取得価額と額面金額の差額が、金利である以上、利息法が合理性を有しています。

なかなか数字を使った説明が(私の能力では)難しいですが、やってみましょう。

まずは、定額法です。

(1)社債の場合

社債の発行条件等:

額面価額100円  発行価額 95円  償還期間  5年

上記社債を当期首に満期保有目的で取得


取 得 時:(借)投資有価証券95 (貸)現金預金95

1〜5年目:(借)投資有価証券 1 (貸)有価証券利息1


計算は、(額面金額100−発行価額95)÷償還期間=1 とやっています。


(2)貸付金の場合
償却原価法は、社債等の債券だけでなく、貸付金等の債権にも適用があります(差額が金利の調整時)。

貸付条件等:
貸付金100円(額面)を95円で当期首に取得した。

(または、100円貸すけど、5円は利息として天引きして、95円を払った)。

残貸付期間 5年


取 得 時:(借)貸付金95 (貸)現金預金95

1〜5年目:(借)貸付金 1 (貸)受取利息1



【具体的処理例(利息法)】

問題はこの95円という貸付金が、毎年1円ずつ、増えていく(定額法)のが、合理的かどうかです。

結論的には、やや合理性を欠きます。

通常は、95円の貸付金(預金でも同じです)に利息がつきます。

初年度にその利息を「受取っていれば」同様に2年目も95円の貸付金に利息がつきます。

利息を受取っているならいいです。

しかし、実際には、利息分(5円)は、最後にいっぺんに受取るのです。

そうすると、

1年目  95円の利息

2年目 (95円と1年目の利息)の利息

でなければおかしいでしょう。

少なくとも利息の金額は、だんだんと増えていくハズです。

とすると最初の95円に対する利息は1円より小さくていいハズです。

この利息(利率)の計算が数学的には、レベルが高いです。

私には、皆目できませんが、簿記でこの計算は必要ないのでちょっと一安心。

この利率が「実効利子率」と呼ばれます。

実効利子率は、その利子率をかけて利息法を適用していくと、最後には、貸付金(投資有価証券)がちょうど額面金額になる利率を意味します。

いや、これは不思議ですよね。

具体的な計算は、直前の帳簿価額に実効利子率をかける。

これだけです。

この実効利子率ってのは、債券や株式投資をなさっている方の「実質利回り」に等しいです。


【償却原価法の雑感】

実効利子率を算出できる必要はありません。

しかし、その基本的な考え方は知っている必要があります。

この辺は、試験委員もそう考えているハズです。

ただし、実際の出題の難易度が高すぎると合否に影響を与えない場合もあるでしょう(後述日商参照←むずい)。

税理士試験でも第53回に出題があります。

利息法の一般的学習及び問題演習が終わった後にぜひ手がけてみてください。


【参照問題】

日商一級 第102回 会計学 第2問

税理士試験 第53回(平成15年)第2問



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有価証券<目次>

テキスト記事一覧

減価償却関連の推定の意味

【減価償却費の計算】

例えば、次の条件により、定額法による減価償却を行う場合を考えてみましょう。

建物100円 耐用年数10年 残存価額10%

減価償却費は、次のように計算されます。

(100円−100円×10%)÷10年=9円

多くの方は、電卓で、

100 × .9 ÷ 10(0.9の「0」は省略できます)

とやっているのではないでしょうか。


間接法:(借)減価償却費9 (貸)減価償却累計額9

直接法:(借)減価償却費9 (貸)建   物  9



【取得原価の推定】

(決算整理前試算表)
建物 91

(決算整理事項)
建物 取得原価? 耐用年数10年 残存価額10% 建物は前期首に取得

取得原価100が仮に分からないとすると、

取得原価をXとおいて、


X − X×0.9÷10×1=91


という関係が成り立つので、この式を解いて、


X − 0.09X=91

0.91X=91

∴ X=100


慣れると電卓のみで、


(.9÷10×1)−(1M+91÷MR)=(−)100


でいけます。

マイナス部分を先に計算すると答えがプラスでだせますが、最初の部分を慎重にやって、解答のマイナスを無視する感じでいいのではないでしょうか。


【取得原価の推定が出題される意味】

ただし、このような取得原価の逆算そのものを解き方として覚え込むというようなことは不要です。

また、その意味もないと思います。

定額法による減価償却費の計算ができるなら、減価償却の仕組みを理解しているなら、そのうちの条件が欠けていてもそこは求められるハズだというのが問題の意図でしょう。

数式をたててそれを解くことそのものを求めているわけではないでしょう。

もっとも初めてこのような問題に接してできるかどうかは、また微妙な話だったりします。

トータル微妙ですが。



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「週刊少年ジャンプ」を読む技術

もうかなり以前の話になるが、「週刊少年ジャンプ」という少年マンガ雑誌を継続的に読む必要にかられた事がある。

昔とった杵柄とばかりに勇んで読んでみたものの、予想に反してまるで読めない。
これにはかなり驚いた。

間違いなく読めていたハズのものが読めないのである。

理由はいくつかあるのだろうが、マンガを読むのに「技術」がいるらしい事に気付いた。

「技術」というのが大げさなら「慣れ」でもいい。

学生時代にマンガを読んでいたときには、そんな事など考えもしなかった。

ただ、純粋に面白いから読んでいたのである。


そういえば学生時代に「日本経済新聞」を読もうとしてもなかなか読めなかったことを思い出す。

もちろん目で活字を追ってはいるのだが、内容がまるで頭に入ってこない。

一言でいうと面白くない。

それが社会人になり、いつの間にかごく自然に読むようになっていた。

関心(興味)の問題はあるのだろう。

しかし、それ以前に「ジャンプ」を読むにも、「日経」を読むにも技術(慣れ)が必要らしいのだ。


「ジャンプ」も「日経」も読めないときに無理にでも読む事でやがては慣れ、必要な程度には読めるようになっていった。

おおげさにいえば、その技術を習得したから読めるようになったのだろう。

読めないときに読むことをやめてしまえば、読めるようにはならない。

簿記の学習も同様だろう。


学生から社会人へと立場を変えた今、「日経」は読んでいるが、「ジャンプ」は読んでいない。

電卓の選び方

電卓の選び方といっても、とにかくある程度の大きさ(手帳型でないもの)と12桁をクリアしていればよいでしょう。

あとは好みでしょうか。

12桁の電卓なら、最低限必要な機能(四則演算とメモリー等)はついています。

メーカーによって若干操作が違うので、最初にきっちり選ぶとよいでしょう。

私自身は、たまたま最初に買ったS社のものを使い続けていますが、もちろんC社のものでもいいと思います(今はC社製を使っています)。

ただ、途中での乗り換えは、しばらく違和感が残るので注意が必要です。

特に定数計算の仕方(同じ数を×、÷)が違うので、継続した方がいいでしょう(割引計算で結構使います)。


電卓のスピードはもちろん問題を解くスピードに影響しますが、合否を左右するほどのものではありません。

右手一本指で簿記論や財務諸表論に合格という方ももちろんいます。

各種の機能も使いこなせればよいものもありますが、メモリーと定数計算ができれば充分でしょう。


右手か、左手か、一本(二本)か、三本かは、実際の合否にそんなに影響がある訳ではありません。

ただ、税理士試験5科目受験予定の方は、その後の実務も考えれば少なくとも三本では打ちたいところです。

パソコンのブラインドタッチよりも簡単なハズですから、短期間で集中的にやらなくても、三本で打つと決めて、それを破らなければ、それほど時間はかかりません。


左打ちの場合は問題ありませんが、右打ちの場合には、ペンを持った状態での三本でないと、いちいちペンを置いているようであれば、これは時間のロスです。

最初は、とても違和感がありますが、ペンを持ったままで打ち続けているとやがては、ペンを持たないと違和感があるようにすらなります。

コツは、電卓を叩くときに、ペンをかなり横に寝かせて、人差し指を使いやすくすることではないかと思います。

もっとも電卓は、あくまでも我流なので、教本や詳しい方の教えを請うべきかもしれません。

貸倒実績率法

【貸倒実績率法とは】

貸倒見積額は、債権を、一般債権、貸倒懸念債権、破産更生債権等に区分して計算します。

このうち一般債権に適用される貸倒見積額の計算方法が、「貸倒実績率法」です。

貸倒実績率法は、過去の貸倒実績をもとに将来の貸倒れを予想する方法です。



【貸倒実績率の算出】
貸倒実績率が問題で与えられていればよいですが、問題は、自分で算出する場合です。

貸倒実績率は、「貸倒額/期末債権」で計算されます。

具体的な計算方法は会計基準等にありません。

出題された場合は、問題の指示を極めて注意深く読む必要があります。

くれぐれも先入観は禁物です。

一般債権全体で算出するのか。

勘定科目ごとに算出するのか。

また、どの期間を対象にするのか。

実績率は、各年度ごとに算出するのか、全体を通算するのか。

端数処理はどうするのか。

計算方法に規定がないので問題の指示に従うか、合理的に計算する以外にありません。

普段やっている方法が問題で要求されている処理とは限りません。

一般的な債権の回収期間は、現実的には、半年を超えることは少ないでしょうが、問題としては、債権の回収期間が1年を超える場合に、注意が必要です。

分母(期末債権)と分子(貸倒額)の対応関係を考慮するか否かで、結論が違ってきます。

税法は対応関係をみませんが、対応関係を考慮する方が合理的ではあります(面倒ですが)。

この辺も必ず問題に何らかの指示があるハズなので、貸倒実績率法の出題時には、問題の指示にくれぐれも注意しましょう。



【関連記事】
貸倒実績率
債権の種類と貸倒見積高の算定



引当金<目次>

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償却原価法

【償却原価法の意義】

「償却原価法」とは、債券(社債等)の取得価額と額面金額が異なる場合に、「取得価額と額面金額との差額」を満期までの期間に配分する方法です。

取得価額と額面金額との差額が金利の調整のとき、償却原価法が強制されます。

償却原価法は、売掛金、貸付金等の債権にも適用されます。



【償却原価法の考え方】

我国では社債の割引発行が一般的なので、取得価額をだんだんと額面金額に近づけていくことになります。

例えば、95円で発行された5年満期の額面100円の社債を期首に取得に取得した場合を考えてみましょう。


取得時:(借)投資有価証券 95 (貸)現金預金95
償還時:(借)現金預金   100 (貸)有価証券95
                         収  益 5


これではまずい。

5年間継続して所有していることで、その5円は、いわば儲かるんで、最後にいっぺんに計上するのではまずい。

そんじゃ、1年ずつ、


(借)投資有価証券1 (貸)収  益1


とやればいいことになります。

問題は貸方科目ですが、これは有価証券利息勘定(収益)を使用します。

そもそも社債をはじめとする債券を割引発行するのは、発行条件をよくして社債を買ってもらいたい。

でも、(利払いの)お金はない。

そんな企業が、そんじゃ最初に払ってもらう金額をちょっと安くしておくかということで行うものです。

一般的な社債発行差額は、まさに「金利の調整」なのです。



【関連記事】
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社債の発行形態

【社債とは】

社債(発行者側)の実質は、(長期)借入金と同じです。

金を借りて、利息を払って、最後に返済する。

違うのは、債権者側(貸付側)で、その権利が証券(紙)として流通する(売買できる)というだけです。

有価証券の一部(満期保有目的の債券とその他有価証券のうちの債券)と債権(売掛金、貸付金等)に同じように償却原価法が適用されるのは、両者が債権の性格を有するからです。

いずれも貸付側からすれば、同じ「債権」(貸した金を返せという権利)なのです。

ただ、債券(公社債)については、それが証券(価値のある紙切れ)であることを優先して有価証券等の勘定で処理されます。


【社債の発行形態】

社債の発行形態には三種あります。


額面金額=発行価額 → 平価発行

額面金額>発行価額 → 割引発行

額面金額<発行価額 → 打歩発行


額面金額と発行価額とが異なる場合は、償却原価法が適用されます。

原則は、利息法で、定額法も許容されています。

我国での普通社債の発行は割引発行が多く、実際の出題もほとんどが割引発行です。
割引発行時の償却を中心に習熟しておきましょう。



【関連記事】
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売上原価対立(計上)法と二分法

【売上原価対立(計上)法の会計処理】

分記法や総記法は利益(販売益)のみを計上する方法です。

これに対して、売上原価対立(計上)法は、収益(売上高)と費用(売上原価)を両方たてる方法です。

仕入時:(借)商  品100 (貸)現金預金100
販売時:(借)現金預金150    売  上150
        売上原価100    商  品100


利益50(売上150−売上原価100)が示され、商品勘定の残高も適正なので、決算整理は必要りません。



【売上原価対立(計上)法の特徴】

売上原価対立(計上)法は、商品販売の都度、収益と費用を両建てする方法ですから、大変に素晴らしい方法といえるでしょう。

ただし、分記法の場合に問題となったように、商品販売の都度、売上原価を把握するのは困難です。

売上原価対立(計上)法の場合における

(借)売上原価××× (貸)商  品×××

の仕訳を商品販売のつど行わず、決算時に行う方法を二分法と呼ぶことがあります(この呼称は必ずしも一般的ではありません)。

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なお、「売上原価対立(計上)法」と「二分法」との関係は、特殊商品販売における手許商品区分法の「その都度法」と「期末一括法」の関係と同じです。

このような各処理方法間の相似に目がいくようになれば、商品販売の制覇も近いでしょう。



【関連記事】
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売上原価の意味
商品勘定の処理
分記法
総記法(※)
総記法の決算整理(※)



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有価証券の勘定科目

【有価証券の評価上の区分と処理科目】
有価証券でとても大事なのは、評価上の4区分(売買目的有価証券、満期保有目的の債券、その他有価証券)です。

ただし、4区分と勘定科目は必ずしもリンクしないので注意が必要です。

売買目的有価証券 → 有価証券
子会社株式・関連会社株式 → 関係会社株式
※親会社株式と被関連会社株式も関係会社株式です。
それ以外     → 投資有価証券


関係会社株式は、子会社株式や関連会社株式を使うこともあります。

ただ、4区分どおりに「売買目的有価証券」、「満期保有目的債券」、「関係会社株式」等、「その他有価証券」という勘定科目を使う場合もあります。

日商の簿記検定は、勘定科目としては評価上の区分に近いものをメインに考えているようです。

勘定科目自体は企業の自由で、何でもいいです。

実際の出題での勘定科目が安定していた方が問題も手がけやすいことは間違いありません。


【売却損益と評価損益】
評価・売却損益は、上記に「売却損益」、「評価損益」をつけるのが一番多いようです。

売買目的 → 有価証券売却損益、有価証券評価損益
それ以外 → 投資有価証券売却損益、投資有価証券評価損益


売買目的有価証券については、売却損益、評価損益、(受取利息・受取配当金)を合わせて、「有価証券運用損益」という勘定科目が使われることもあります。

どこまでを合わせるかも会社の任意です。

また、関係会社株式(子会社株式など)が別にされる例が多いのは、処理科目の場合と同様です。

売却損益、運用損益ともに「益」か、「損」の両方が使われる場合があります。

特に、総合問題で「仕訳」が問われる際には、注意ましょう。


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