税理士試験 簿記論 講師日記

税理士試験 簿記論、財務諸表論、簿記検定の問題、学習方法等をアドバイス。

税理士試験 簿記論 基礎問題6(債権債務)

(問題)

不動産の販売及び賃貸を主たる事業とするA社は、過日、取引先と販売目的の土地を100円で取得する契約を交わしていた。

代金のうち20円は契約時に手付金として支払っていたが、本日、この土地の引渡しを受け、残金のうちの半額を現金で支払った。

残額は未払いである。

本日に行うべき仕訳を示しなさい。

(解答)
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本支店の形態と内部利益の付加

【典型的な本支店の役割分担】

簿記論では、支店が複数ある場合の出題もあります。

一般的な前提をゆるやかに考えておくとよいでしょう。

極めて一般的な出題は、「本店が仕入」を「支店が販売」を担当する場合です。

これは現実的にも多く存在する形態です。

仕入れには大量仕入による仕入単価の引下げというメリットがあります。

これに対して、販売拠点は多い方がよいです。

ここまで来いという姿勢では売るのは難しいでしょうから、販売拠点は多いほうがよいです。

本店で管理活動と仕入を、複数支店で販売を担当するのは、現実的にも多いでしょう。

そのもっとも単純な形態として本支店が一つずつの問題が想定されることが多いようです。


その典型的な本支店の形態、すなわち、本店が仕入のみを行い、支店が販売のみを行う場合を考えてみましょう。


例えば、原価100円、売価150円の商品を、

(1)本店が仕入(100円)

(2)本店が支店へ送付(100円)

(3)支店が販売(150円)


(本店の処理)

(1)(借)仕 入100 (貸)買掛金100

(2)(借)支 店100 (貸)仕 入100


(支店の処理)

(2)(借)仕 入100 (貸)本 店100

(3)(借)売掛金150 (貸)売 上150


本店・支店の損益(もうけ)を考えてみると、

(本店)収益0−費用0=利益0

(支店)収益(売上)150−費用(売上原価)100=50

つまり、本店は利益0で、支店は利益が50。

これは、おかしくないでしょうか。

もちろん本店と支店は、本来(制度的に)は、一つの会計単位です。

本支店を合わせたところで、利益が50なのは、間違いありません。

しかし、本店だって努力はしています。

もちろん何でも仕入れればよい訳ではありませんし、買掛金を払う手間もあります。
いくらかは、本店も利益に貢献しているハズでしょう。



【内部利益の付加】

そこでよくとられるのが、本店が支店に商品を送付する際に、利益を付加する方法です。

たとえば、先の例で、本店が支店に商品を送付する際に、原価の20%相当額の利益を付加したとしましょう。

本店と支店を全く別の企業と考えれば、次のような処理になります。

(本店)売掛金120 売  上120

(支店)仕  入120 買掛金120

しかし、実際には、本店は、支店からその代金を回収するとは限りません。

支店の支払いもそうです。

そもそもは本店も支店も一つの会社ですから。

また、売上や仕入といっても本当に20円儲かったといえるのか?というと、ちょっと怪しいです。

そこで、売掛金・買掛金 → 本支店勘定

売上・仕入 → 外部の売上・仕入と他の第三者に対する勘定と区別しておけばよいでしょう。

(本店)売掛金(→支店)   120 (支店へ)売 上120

(支店)(本店より)仕 入 120 買掛金(本店)  120

難しい内部利益の控除の計算に取り組む前に、なぜ、内部利益を付加するのか、なぜ、そのような会計処理を行うかをぜひ一度は考えておきましょう。



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税理士試験 簿記論 基礎問題5(債権債務)

(問題)

当期末の決算にあたり仕入先別の買掛金残高を確認したところ、決算整理前残高試算表の買掛金勘定(400円)の内訳は次のとおりであった。

必要な決算整理仕訳を示しなさい。

A商店300円(貸方残高)

B商店200円(貸方残高)

C商店100円(借方残高)

(解答)
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祝「ライブドア学術・芸術部門」初登場第16位!!

いやービックリです。

ランキング好きなのは、プロフィールを見ていただくとわかるかと思いますが、たぶん参加者の人数が一番多いんで、素直にうれしいです。

ばんざーい。

これも皆様のおかげです。

どうもありがとうございます。

社長、今、行くから待ってて下さい。



大量投稿アンドあちこちいじりまわしました。

リンク先に新たにお役立ちリンクと簿記攻略リンクを追加いたしました。

今後、少しずつ充実させていきたいと思います。



お役立ちリンクの筆頭は、国税庁さんにご登場願いました(←許可なし)。

簿記攻略リンクの筆頭は、玉婆さんにお願いしています(←許可あり)。

前にもご紹介しましたが、正しい事がそのまま伝わるとは限らないというのが持論の私にとっては、間違えた事、わからなかった事の記録は、貴重ですが、その記録はそれほど多くありません。

その事は、そのまま受験生にもあてはまると思います。

ホームページも素敵なのでぜひご覧になってみて下さい。



こっそりと「簿記入門(A)」の(3)から(5)をアップいたしました。
興味がおありの方は、ごらん下さい(基本的に文字だけです)。

年末進行が年明けにズレ込みましたが、まだ、現実の進行に追いつきません。

このまま永久に追いつかないような気さえしてきました。

でも、まあ、なんとかなるでしょ。

きっと。たぶん。

前渡金・前受金と経過勘定項目の換算

【前渡金・前受金の換算】

前渡金と前受金は、「非貨幣項目」であり、換算は行われません。

前渡金のケースで一連の処理をみておきましょう。

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任意積立金

(1)任意積立金の意味
「任意積立金」は、過去の留保利益に名前を付けて残したものです。

任意積立金も繰越利益剰余金や利益準備金と同様に資本の内訳を細分したものと考えるとよいでしょう。

積立てること自体が任意なので、それほど大きな意味は持ちません。

しかし、いったん積立てた積立金を取崩して、繰越利益剰余金とするには、ふたたび株主総会の決議等を経なければなりません。

その程度の拘束力はあります。


積立:(借)繰越利益剰余金××× (貸)任意積立金×××


「繰越利益剰余金という資本項目を減らして、任意積立金という資本項目を増やしています」。

「繰越利益剰余金を任意積立金に振替える」といっても同じです。


(2)任意積立金の種類

任意積立金は、文字どおり任意に積立てるものですから、どんなものでもかまいません。

その種類も新築積立金、配当平均積立金等さまざまです(覚えたりする必要はありません)。



(3)任意積立金の取崩

任意積立金の取崩(減少)の処理は、積立とまったく逆です。

株主総会の決議で取崩す場合は、任意積立金(資本)を減らして、その分、繰越利益剰余金(資本)を増やせばよいです。


取崩:(借)任意積立金××× (貸)繰越利益剰余金×××


任意積立金の取崩しは、基本的に株主総会の決議事項です。

なお、任意積立金のうち積立目的のある積立金(目的積立金)をその目的にしたがって取崩した場合等はこの限りではありません。



【関連記事】
剰余金の処分の意味
(※)一勘定制と二勘定制
(※)二勘定制採用の理由
(※)損益計算書の末尾
利益準備金
中間配当



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シャーペン・鉛筆

本試験は、黒または青のペンなので提出する解答用紙に、シャーペンや鉛筆は使えません。

ただ、本試験で使ってはいけないのかというとそんな事はありません。


問題用紙にスタートの試算表等の数字があるケースですと、それを利用して、こちょこちょと(+)、(−)を書いていったりする方法は、効果的なことがあります。

しかし、解答用紙にスタートの数字が多い場合などは、解答用紙を利用して(+)、(−)をちょっと濃い目のシャーペンか、鉛筆でやる訳です。

問題の終了時または修了10分前の合図(開始1時間までと終了まで10分間は退出ができないのでその合図があります)があったら消しゴムをかけるという方法です。

私自身は、万が一消しゴムをかけているときに、ビリッとでもいったらと思うと怖くてできませんでしたが、実は、今でも普段は、よくやっています。

結局、問題を解くのに時間をかけるのがいやなので、最短を目指すからかもしれません。


あとは、普段の学習の段階でも、さすがに問題集などにペンで直書きはできないでしょうから、シャーペンか、鉛筆は必要でしょう。

もっとも、もちろん私にこだわりは、ありません(←つまんないやつ)。

税理士試験 簿記論 基礎問題4(現金預金)

(問題)

当社の監査部が当社甲事業部の期末当座預金勘定残高を確認したところ次の事実が判明した。

決算において必要な修正仕訳を示しなさい。

(1)甲事業部所有の車両修理にかかる代金100円を期末日前に振出し、その記帳を行っていたが、当座預金口座からの引落しが決算日までに行われていなかった。

(2)期末日に甲事業部建物の外壁修理代200円の支払の為に小切手を振出し、記帳も行っていたが、当日中に相手先が集金に来なかったため、甲事業部で保管していた事が判明した。

なお、この小切手は、翌日になって集金に来た相手方に手渡し、同日付の領収証を交付している。

(解答)
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消えた「サイト」

私が受験指導をはじめてからとてもお世話になった資格試験に極めて有用だと思えるサイトが少なくとも二つ消えている。


一つは、資格専門学校の講師が個人で運営していたサイトでかなり著名な方のものであり、心構え的な事が多かったように思うが、たいへん参考になった。

印象に残っているのは、「信じてはいけない」、「疑え」という二つの短い言葉である。


「信じてはいけない」という言葉は、とても刺激的だった。

勉強方法等についても、結局は、他人の方法を参考にしつつも自ら考え、実践し、自分にとってのよりよい方法を模索する以外にない。

他人の方法をそのまま横すべりさせる事が、時として有害ですらある事を体験的に語るその言葉は、力強かった。


「自分も含めた講師ですら疑え」という言葉には、おそらくは自らの指導力の高さと、その背後にある小さな努力の積み重ねの裏付けが垣間見えた。

正しい知識といえどもそれを単に鵜呑みにするだけでは決して本当の意味での力にはつながらないのだろう。



もう一つのサイトは、税理士資格を有する方がやはり個人で運営していたもので、各科目ごとの攻略法等とても充実したサイトだった。

トップページに花火があがっていたり、クイズ形式の出題があったり、隅々に細かい工夫が凝らされていて、見ているだけで心が和んだ。

どこかの活字だけのサイトとは大違いである(←ほっとけ)。

個人が自分の学習した足跡を公開の場に残すことは少なくないが、ここまで充実したサイトを他には知らない。

とても腰が低く、受験生の質問に丹念に答えているその言葉は、やさしさに満ちていた。


二つのサイトは今はない。

サイトが消えた理由をはっきりとは知らないが、残念というよりも、寂しい。

いずれも資格試験の受験生向けの個人サイトであるという以外に共通点はないものの、独自性のある素晴らしいサイトだったと思う。


このサイトはもちろん無くなることを前提に運営している訳ではないが、形ある以上、永久にある訳でもないだろう。

消えた時に寂しいと思ってくださる方はいるだろうか。

サイト開設から約一月。

そんなことをふと想った。

外貨建社債の換算

【外貨建社債の換算】

貨幣・非貨幣法によれば、期末外貨建項目の換算について、貨幣項目は、決算時の為替相場、非貨幣項目は、取得(発生)時の為替相場により換算されます。

自社発行の社債は事実上、(長期)借入金と同様に貨幣項目であり、決算時の為替相場で換算します。


(以下は旧商法下での取扱いで、現在とは異なります)
転換社債型の新株予約権付社債は、資本金等に振替えることが予定されており、非貨幣項目です。

ので、発行時の為替相場で換算します。

発行時:(借)現金預金    ××× (貸)新株予約権付社債×××

転換時:(貸)新株予約権付社債××× (貸)資本金     ×××

また、転換社債型の新株予約権付社債であっても転換請求の可能性がない場合は、ただの社債と同様に貨幣項目であり、決算時の為替相場で換算します。



【関連記事】
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貨幣・非貨幣法
前渡金・前受金と経過勘定項目の換算
外貨建有価証券
外貨建有価証券の換算と償却原価法
為替予約
独立処理
振当処理
在外支店の財務諸表項目の換算
在外支店の財務諸表項目の換算手順
<軽めの記事一覧>
外貨建債券の償却原価法
前渡金・前受金の換算



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       <管理人の記事掲載号>  会計人コース2011年9月号-                  会計人コース2008年02月号                  会計人コース2008年01月号                  会計人コース2007年09月号 <管理人の本>
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