税理士試験 簿記論 講師日記

税理士試験 簿記論、財務諸表論、簿記検定の問題、学習方法等をアドバイス。

再振替仕訳

【再振替仕訳の行われるタイミング】
簿記一巡の手続のスタートは、英米式を前提とすれば、帳簿(元帳)に前期繰越の記入を行うことから始まります(開始記入)。

その後に行われるのが「再振替仕訳」です。


【再振替仕訳の意味】
「再振替仕訳」とは、「前期末に行われた経過勘定項目(前払費用・前受収益・未払費用・未収収益)設定時の逆仕訳」です。

特に「期首試算表」や「前期の繰越試算表」が資料として与えられている場合は、指示がなくてもこの再振替仕訳を行う必要があります。

また、「決算整理前残高試算表」が資料として与えられていても、再振替仕訳をしていない(忘れている)場合があります。

この場合は、決算整理として再振替仕訳を行いましょう。


【再振替仕訳の行われる理由】
この再振替仕訳が行われる理由としては、

(1)理論的には、経過勘定項目に関する異なる処理方法(直接整理法と間接整理法)をとった場合でも期中取引に入る段階での帳簿記録を同じくするため。

(2)実践的には、再振替仕訳を行わなかった場合に、これを消し込むのが面倒なため。

といった説明がなされることが多いようです。


【参照記事】
再振替仕訳とは何か(1)〜(9)


【関連記事】
簿記一巡の手続
簿記一巡の手続考
再振替仕訳の出題形態


簿記一巡目次


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簿記一巡の手続

【簿記一巡の手続の重要性】

簿記一巡の手続は重要です。

個別項目の理解の段階では、そのことはさほど感じないかもしれません。

しかし、特に総合問題を解く段階で、意識していないとつらいです。

総合問題対策として、とにかく入れてしまう(記憶する)のも手でしょう。

とにかく重要です。



【簿記一巡の手続】
大まかな簿記一巡の流れは、次のとおりです。


(1)開始手続 → (2)期中手続 →(3)決算手続(決算整理+決算振替)


【簿記一巡と試算表】

簿記一巡の手続の流れの中で作成される「試算表」の位置付けは特に重要です。

試算表は、勘定科目の残高や合計の集計表です。

資料として与えられることも多く、その数値の意味を正確に把握しないと処理ができも、きちんと解答できません。


期首試算表(前期繰越試算表)→(1)開始 →(2)期中 →

決算整理前試算表 → (3)決算(整理) →

決算整理後試算表


問題で与えられた資料の解答要求をよく確認しましょう。


【関連記事】
簿記一巡の手続考
勘定科目と表示科目
再振替仕訳


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平成16年の出題(全般)

平成16年の出題は、次の二点でやや予想外でした。

(1)第2問(色々な意味で)
(2)第3問(精算表という出題形式)

この点も含めて昨年の出題について簡単にコメントしておきます。

(第1問)総合問題
出題形式、難易度、量ともに、標準的といってよいと思います。
ただ、見た目よりも量は多いといえるでしょう。

(第2問)個別問題3題
もっとも物議をかもした出題です。
実は、まだ分析しきれていません。

この第2問については徹底的にこだわりたいと思います。
平成17年の簿記論攻略の鍵は、この第2問の出題者の出題にあると思えます。

(第3問)総合問題
一見、問題の量はそれほど多くなさそうに見えるものの、実際に解いてみるとかなり量が多いことがわかります。
出題形式が精算表という税理士試験ではさほど多くないものであったため、戸惑った受験生も多かったのではないでしょうか。

総じて、平年よりは難易度は高かったといってよいでしょう。
平成17年の難易度が低いことを願います。

平成15年の出題(第二問)

平成15年の第二問は、

問1 キャッシュ・フロー見積法
問2 償却原価法(利息法)

でした。

いずれも割引価値の考え方に基づく計算を問うもので、税理士試験では未出題の項目です(対策をとっていない受験機関もあったようです)。
特にキャッシュ・フロー見積法は、対策をとっていないと、手がでなかったかもしれません。
推定の絡む出題で、端数がバリバリにでる点を除くと、難易度はさほど高いとはいえないものの、実際の試験場での端数処理は、かなりしんどかったと思います。

以下、特徴を探ってみましょう。

(1)結果として計算構造を問うものになっている。
簿記の出題は、仕訳や勘定記入(試算表等)を問う場合が多く、その中でもちろん計算をさせていますが、結果的には、「メインとして」計算構造を問う出題となっています。

(2)税理士試験での未出題項目の出題
いずれも税理士試験では、未出題項目ですが、この点は、個別問題の出題においては、例年も同様です。

(3)端数処理が多い
税理士試験では、端数処理がある場合は少なくありませんが、この問題での端数処理の回数が、とても多くなっています。

(4)語句を答えさせている
部分的にではありますが、勘定科目及び語句を答えさせています。
税理士試験で勘定科目以外の語句を答えさせるケースはさほど多くありません。
珍しいケースでしょう。
ただ、配点的にはそれほど多くはなさそうです。
平成16年は、数字のみの解答でした。

(5)推定(逆算)の存在
推定部分はあるものの難易度はそれほど高くありません。
問2の推定に関しては、それを示唆する文章もあり、基本的な計算の仕組みがわかっていれば、推定に苦労するという感じではありません。

(6)不要資料の存在
この点は、出題のポイントにもありますが、不要な資料を意図的に織り交ぜていることがわかります。

(7)複数解答の存在
キャッシュ・フロー見積法の出題では、語句はともかく、勘定科目についても、そもそも複数解答が存在しています。
この点から、単一の解答だけではなく、複数解答をそもそも想定している可能性が高いのではないかと思われます。

(8)難度が極めて高い項目が含まれている。
第二問は、利息法の出題でしたが、利息法の仕訳が決算整理として行われている点に注目する必要があるでしょう。
一般的に、定額法は決算時に、利息法は利払時に償却の仕訳が行われると説明されることが多いようです。
この点は、実務指針も同様です。
しかし、解答では、「評価に係る決算整理仕訳」を要求しており、この仕訳を決算整理仕訳とは認識しにくいのではないでしょうか。

上記の項目が翌年(平成16年)の出題ではどうなったのでしょうか。
(1)計算構造を問う (○)
(2)未出題項目の出題(○)
(3)端数処理    (△)
(4)語句での解答  (×)
(5)推定の存在   (△)
(6)不要資料の存在 (○)
(7)複数解答の存在 (○)
(8)難度の高い項目 (○)

おおむね特徴は維持されているといってよいでしょう。
むしろパワーアップした感のある項目もあります。
総じて、対策は打ちにくいといえそうです。
ただし、平成16年でいえば第2問が白紙であれば、間違いなく25点は失います。
その点を考慮した心構えに近い対策は必要でしょう。

平成15年の出題(全般)

平成15年の出題は、標準的か、やや難易度は低めでしょうか。

(第1問)総合問題
出題形式、難易度、量ともに、標準的か、やや難易度は低く、量は少なめです。
形式的にも手がけやすかったのではないかと思います。

決算整理型の出題で、決算整理前残高試算表と決算整理事項等から決算整理後残高試算表を作成する出題です。
一部、推定事項も含んでいます。
主要な出題項目は、次のとおりです。
1.現金勘定の整理
2.自己株式
3.割賦販売
4.有価証券(売買、その他、関係会社)
5.所有権移転ファイナンス・リース
6.社債の抽選償還


(第2問)個別問題2題
出来不出来のはっきりとした問題でした。
特に一箇所間違えるとズルズルいってしまう問題でもありました。
この第2問の出来不出来が、この年の合否を左右したケースも多かったようです。

問1
キャッシュ・フロー見積法の出題です。
一部推定事項があり、また、語句(一箇所ですが)を答えさせる出題がありました。

問2
償却原価法(利息法)の出題です。
三年連続での国債の購入と設定のもと仕訳処理(一部推定あり)を問う出題です。


(第3問)総合問題
第3問としては、標準よりやや難易度が高く、量は多かったといってよいでしょう。

決算整理型の出題で、決算整理後残高試算表から決算整理後残高試算表を作成する出題です。
為替予約取引については、仕訳処理による解答が要求されていました。

主要な出題項目は、次のとおりです。
1.現金預金
2.割賦販売
3.未着品販売
4.積送品販売
5.為替予約
6.貸倒引当金
7.退職給付引当金
8.使用目的のソフトウェア
9.有価証券(その他)
10.税効果会計

理解か、記憶か

税理士試験に限らず、「理解」が重要か、「記憶」が重要かの議論がなされることがあります。


極端な議論はおそらく成り立たないでしょう。

どちらか一方ということは有り得ず、どちらも必要なのです。

しかし、どちらに重点をおくべきかといえば、やはり理解ではないでしょうか。

単純な記憶には持続性がないからです。

特に、基礎・応用期の学習を進めていく上で、7〜8割程度は、理解に重点を置くべきではないでしょうか。

しかし、あくまでも重点を置くべきなのであって、記憶が必要ない訳ではありません。


経験的には、理解を重視すべきだと考える人は、もう少し記憶した方が効率がよいのではないかと思える場合が多いようです。

逆に、理解を疎んじる人は、長い目で見た場合の効率を損なっていることが多いように思います。


いずれにせよ、直前期でのスタンスの変更はききません。

見直すべきは、まだ試験までに時間のある段階で、そして結果が出ない、あるいは出なくなる予感があれば、今までのスタンスを変える必要はあるかもしれません。

試験委員

税理士試験の会計科目(簿記論・財務諸表論)の出題は、次のとおりです。

第1問 25点(学者)
第2問 25点(学者)
第3問 50点(実務家2人)

本来簿記論に、それほど特別な試験委員対策は必要ありません。

過去2年間の出題を見る限り、対策に近いものは必要と思われます。

それはなんといっても今年の第2問の出題者が、来年も担当すると予想されるからです。

個別・総合、第1問・第2問の別はわかりませんが、いずれにせよ、癖のある出題が予想されます。

これに対して癖のある出題を数多くこなすということではなく、そのような出題に対する対処法を身につけておく必要があるでしょう。

合格発表まであとわずか

税理士試験の合格発表(12月10日)まで、あとわずか。

来年の税理士試験(簿記論)の合格を目指す受験生を相手にしている講師の立場からの記録を残したいと思います。

簿記論や財務諸表論を受験する方の参考になれば幸いです。
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